合同会社設立59日目、朝

港区は曇天。事務所の窓から見える景色は、すっかり冬です。隣が都営住宅で、その庭の木々を眺めるのが朝一番の習慣で、いまでは桜の葉が半分くらい落ちて、残りの葉も赤茶色になっている。こうして一年が終わっていく。桜も一年の肩の荷がおりて、新しい花をたくわえるための睡眠に入る。
人間はとくに季節によって葉が落ちるとか、花が咲くとか外見ですぐにわかる変化はない。だが内面では桜に劣らず大きな変化が起きているはずだ。自分の内面に問いかけてみる。こうして一年が終わっていくが、身体は大丈夫かと。いささか消耗したような気はするが、実りの秋にもなったので総じて満足していると身体は答える。そうかもしれない。手で胸のあたりを触ってみる。堅い筋肉がついてきている。これは水泳を細々とつづけているせいだろうか。だがそれだけではないことも身体は知っている。自分を支えるためにはこのくらいの筋肉が必要だという身体の意思だろう。桜だけでなく、木々はそうやって自分を支えるための枝を少しずつ作りながら、毎日小さな変化をつづけている。庭木を眺めていると、そんなことを思い浮かべる。さて、そろそろ自分も冬を乗り越えるために、不要な枝を落とし、枯れた葉を脱ぎ落として、中心となる幹に栄養を蓄える準備をするか。
と、業務日誌というよりは雑感に近い駄文を書き散らしてみた。