ソニーBMGがDRM制限なしのMP3をアマゾンで提供し、四大レーベルがすべて取り込まれた形に

四大レーベルすべてと提携したアマゾン

Amazonは1月10日、米SONY BMG MUSIC ENTERTAINMENTの楽曲を、AmazonからDRMフリーのMP3形式で今月中に販売開始すると発表した。

AmazonはEMI、Universal Music GroupとはMP3販売のスタート時から契約を結んでおり、Warner Musicとは今月提携を発表した。今回のSONY BMGとの発表で、Amazonは4大レーベルすべてとMP3販売の契約を結んだことになる。

AmazonのMP3ダウンロードサービスは2007年9月にスタート。1曲当たり89セントから99セント、アルバムの価格は5.99ドルから9.99ドル。256kbpsのMP3フォーマットで販売している。

アマゾンから購入した楽曲はほとんどのデジタル音楽プレーヤで再生可能

デジタル著作権管理(DRM)保護を受けない楽曲を専門に販売するAmazon MP3は、これで4大音楽レーベルすべてと提携したことになる。Amazon MP3で販売される楽曲はコピー保護フリーなため、PC、音楽プレーヤー、携帯電話、PDAなど事実上ほとんどのメディアプレーヤーで再生が可能となっている。

DRMフリーの音楽ファイルを大量に取り揃えることで、Amazonはデジタル音楽業界の売り上げで圧倒的なシェアを持つAppleの「iTunes Store」を本格的に追撃する態勢を整えたことになる。

アップルの勢いにも押されて決断

Sony BMG, the music company, announced Thursday that it would become the fourth and final major label to begin selling digital music on Amazon.com, offering its entire catalog in the MP3 format by the end of the month.

ソニーBMG音楽会社は火曜日に、自社が四大レーベルのなかで最後にアマゾン・コムでデジタル音楽を販売開始すると発表した。今月末までにすべてのカタログをMP3形式で提供する。

In an open letter to the music industry last February, Steven P. Jobs, Apple’s chief executive, said his company would welcome the end of software antipiracy measures and a world where music from any online music store could be played on Apple devices.

昨年2月、この音楽会社宛ての公開書簡で、アップルのCEOスティーヴン・P・ジョブズは自社がソフトウェア海賊版対策の終焉を歓迎し、オンライン音楽ストアを通じて音楽がアップルの端末で再生できる世界を歓迎すると述べた。

アマゾンは唯一ほとんどの楽曲をコピー制限なしで手に入れられる場所

Amazon, at this moment, is the only place that can sell nearly any song without copy protections. (But it would be no surprise if Apple announces the same when Steve Jobs gives his keynote at the Macworld Expo Tuesday.)

アマゾンは現時点で唯一、ほとんどの楽曲をコピー制限なしで販売する場所だ。(だがこれは別段驚くほどのことはないだろう、というのはアップルが同様に火曜日のマックワールド展覧会のスティーヴ・ジョブズが基調講演で発表するだろうからだ)

Now Sony is doing what is really the only logical course at this point: it would be confusing to everyone if three out of four big labels (and most independents) sold unprotected music, but songs from Sony still had copy restrictions.

いまやソニーはいわば現時点でほんとうに選びようのない合理的な選択を採ったことになる。つまり、四大レーベルの三社(とほとんどの独立系レーベル)が制限なしの音楽を販売する一方、ソニーの楽曲だけがコピー制限されていたら誰もが戸惑うだろうからだ。