タンブラーがコミュニティの収益化へ踏み出す

タンブラーは長いあいだ、自らの売りをアーティストやクリエーティヴ・アントレプレナーのためのハブとしてきた。そこでタンブラーは、これらの人々に一働きしてほしいと持ちかけているようだ。同社は新設したイニシアティヴにより、タンブラーに参加する人のなかからとくに人気の高いアーティストやクリエーティヴ・ユーザを選び出し、世界でもっとも流行っているブログ・プラットフォームであるタンブラーの場に広告を出す商業ブランドとの連携を拵えようと計画している。
このプログラム「クリエーターズ・バイ・タンブラー」はシンプルなテーゼで成り立っている。すなわち、ソーシャル・ネットワークでもっとも普及しているコンテントは、サイトでいちばん熱心に発信している人のあいだから自然と湧き上がってくる。タンブラーで人気を集めるアーティストは、オンラインのフォロワーの数をてこに、書籍化の話、芸術作品の販売を実現したり、あるいはタンブラー村のなかでセレブリティに成り上がってゆく。
タンブラーはこのタレントという資源をどうにか収益化につなげようとしている。このプログラムで、同社はアーティストと商業ブランドを仲介することによって、タンブラーの広告プロダクト購入に結びつけようと取り組む。その名は「スポンサード・ポスト」だ。これはタンブラーのユーザが利用しているストリーム画面で表示されるもので、タンブラーはこれによってたとえば「サブウェイ」などの商業ブランドが、タンブラーのユーザに嫌われないような品の良い広告を表示できるよう取り組む。
「われわれはインターネット全体でもっとも質の高いクリエーティヴな人々の集う場をつくっている自負があります」とデーヴィッド・ヘイエスは言う。彼はタンブラーのクリエーティヴ・ストラテジ統括者である。木曜日ニューヨークの本社で行われたイヴェントで彼はこう語った。「『クリエーターズ・バイ・タンブラー』によって、われわれのコミュニティが作り出す人の流れを、アーティストだけでなく商業ブランドへと誘導することができるようになります」
このたびの変更は、ソーシャル企業のなかで徐々に広がりを見せている、プラットフォームごとの広告戦略を十分に練ってきたとは言い難い広告主に手を差し伸べる一連の趨勢にしたがっているものだ。たとえばフェースブックが、あるいは記憶に新しいのはピンタレストだが、社内チームを特別に編成して商業ブランドの広告制作を支援し、ユーザの気をそらすことなく広告を浸透させる手法を構築している。
だが在来型の広告代理店を通してプロモーション戦略を練るのは、大手商業ブランドならどこでもやっていることで、それにとって代わるようなことを狙っているのがタンブラーだ。同社はそこに集う人々の流れは、4億2千万人以上の月間訪問者が観てもいいと思うような広告を自ら選り分けることができると見込んでいる。
タンブラーによると、このプログラムではアーティストにとっての利点も見逃せないという。アーティストのなかから選出された一部の人は数百万というタンブラーに集まる観客の目に触れるだけでなく、広告収入の一部を受け取ることになる。また、2013年にタンブラーを買収したヤフーの抱える大量の訪問者も呼び込むこともありうる。
これまでに300人以上のアーティストがプログラムの初回登録に参加を宣言しており、同社は今後クリエーターズ・イニシアティヴの進捗状況が好調であれば、より多くのタレントを呼び込む狙いだ。続きを読む
From the NYTimes.com blog post.Thanks to Mike Isaac.)