リフトがメッセージング・アプリのリーオを買収し位置情報テクノロジ強化へ

リフトは、メッセージング・アプリのリーオを買収し同社のチームを招き入れた。リーオでは1対1やグループ内チャットの可能で、メッセージは数秒で消える仕組みだ。
弊誌の取材によると、取引はすでに先週末に完了しており、共同創業者であるカルロス・ホイット、オースティン・ブロイルズ、そしてジシ・グーオは月曜日にリフトで新たな役職を得て勤務しているという。
リフトは取引の詳細条件について公表を控えている。なお、自ら創業したスタートアップで150万ドルの資金調達を実施したホイットによると、「投資家の皆さんは今回の買収を歓迎しています」という。
ライドヘイリング・プラットフォームである同社にとって、4件目の買収案件であり、これまでにヒッチ、ローヴァ、チェリーの3社を買収している。また、リフトにとってはアプリの機能を拡充し顧客の利便性を向上させることはドライヴァーが乗客を見つけるのにも貢献する。
競合のユーバはすでにユーザの正確な位置情報をアプリに内蔵するGPSテクノロジで把握している。だがリフトにとっては苦手な分野といえる。わたしはいまでもリフトを使うとき、自分の住所か地図上に手作業でマークをつける作業を強いられている。それどころか、ドライヴァーが迷子になったこともあるほどだ。
モバイル位置情報テクノロジはホイットが得意としてきた分野でもある。彼はリフトのCTOクリス・ランバートと同僚としてグーグルのモバイル・アプリに携わった時期がある。2人はグーグル・マップスで位置を明示する青いピンの開発を担当した。
ホイットとランバートはその後も友人として、リフトのアプリで使いにくさが感じられる点を話し合ってきた。ホイットへの取材では、かなり多くのアイディアをランバートに提案したようである。だがホイットはこれまで、自分がそれに関わるというより意見を述べるにとどまっていた。自分のスタートアップで忙しかったためで、リーオを創業した後も彼はGIF画像作成アプリの「カモジ」を創業している。
その後ホイットは悩むようになる。彼のアプリはよくできていたが、人気に確信はなかった。アプリのマーケットは浮き沈みが多く、スタートアップ他社での機会を模索する時期もあった。ランバートはそのなかでリフトの本社へ彼を招待し、買収協議へと発展した。
ホイットはリフトのアプリで乗客の使い勝手を改善するため、あらゆる要素に携わるつもりだ。リフトにサインアップした時から、乗車して目的地に着くまでのすべてだ。しかし、彼の位置情報での実績はリフトが今後乗客の位置を特定するうえで主要な仕事となるだろう。
ホイットとリフトは彼のチームが当面どういった課題に取り組むかは明かそうとしなかった。ひとつはっきりいえるのは、乗客とドライヴァーの位置情報を追跡する機能を改善するのが大事ということだ。
ホイットのチームは決済機能にも携わる可能性がある。ホイットとブロイルズはメッセージング・アプリのスタートアップである同社を創業する前、スクエアに勤務していた。2人はスクエア・キャッシュのチームでスクエアの決済システムとスターバックスの連携において実装を行なった。リフトは顧客の決済機能については非常に得意で、クレジット・カードの対応も万全で、ペイパルやアップル・ペイにも対応する。彼らは今後、トランザクション処理やドライヴァーへの支払い機能に携わる可能性もある。たとえば、ドライヴァーが自分の利益をリアルタイムで確認できる機能などもある。
さらに、ホイット、ブロイルズ、グーオの手によって改善され得る機能としてはリフト・ラインがある。リフトがヒッチを買収したことによって、リフト・ラインのサーヴィスが開設された。現在このサーヴィスはライドヘイリング・プラットフォームである同社のサン・フランシスコ内売上の50パーセントを占めるほか、ニューヨーク市でも30パーセント以上を占める。
乗車までの時間短縮と、共同乗車における適切なマッチングのため改善を進めることによって、顧客の利用環境だけでなく、ドライヴァーにとって乗車率の向上、ひいては収益増にもつながる。このようにアプリの性能を向上することはエンジニアリング・チームにとって優先課題になるとみられる。
リフトは現在10万人以上のドライヴァー、合衆国内で月間200万回を超える乗車実績がある。また、規制当局の壁はあるものの、国外での成長も見込まれる。リフトによると、2014年の乗車数、売上高はともに5倍増のペースで伸びているという。だが、今後ホイット率いるチームがアプリの使いやすさ向上のために取り組む課題は多数あり、数か月以内に顧客とドライヴァーの両方に機能拡充が提供されるだろう。
リーオとカモジは数週内に打ち切りとなる見通しで、同社チームは今後リフトのモバイル・アプリのためフルタイムで勤務する予定。続きを読む
(From the TechCrunch blog post. Thanks to Sarah Buhr.)