ステラサーヴィスはカスタマー・サーヴィスにおけるニールセンをめざし15百万ドルを追加調達

ステラサーヴィスが前回のヴェンチャー・キャピタル資金調達ラウンドを実施してから2年半が経過した。ヴェンチャー・キャピタルの資金が入った企業にとってはほとんど一生に近い長さである。
資金調達について「エキサイティングとはいえない、着々とビジネスを積み上げていくというやり方をわが社は好みます」と語るのは同社CEOジョーディ・ライサーである。たしかに、ステラサーヴィスは次のユーバやエアbnbといった存在ではない。だが大手小売業各社がカスタマー・サーヴィスを手堅く運営するために実体を伴うお金をつぎ込むのが同社である。また、スタートアップである同社に必要なだけ新たな資金を投じることに前向きな投資家は十分に集まってくる。同社は本日、コムキャストヴェンチャーズを主幹事とする投資家から15百万ドルの資金調達を行なったと発表した。今回新たに加わったのはトーバ・キャピタル、ノーヴェルTMTだ。ステラサーヴィスは累計で37百万ドルをヴェンチャー・キャピタルから調達したことになる。
ステラサーヴィスは長期的なゴールとして業種を問わず各種企業のカスタマー・サーヴィスの効果測定を提供する横断的データプロバイダになることである。そのために同社はカスタマー・サーヴィス業界のために、ちょうどメディア・コンシューマ・パッケージ商品セクターにおけるニールセンが果たしてきたような役割を担おうと取り組んでいる。これまで同社は小売業およびイーコマースにおけるカスタマー・サーヴィスの効果測定に限定してきた。
カスタマー・サーヴィスはイーコマースの業界ではきわめて大きな役割を占めており、小規模小売店から旧世代小売業各社までがアマゾンの提供する歴史的規模のサーヴィスに対抗する必要に迫られている。
ステラサーヴィスは数百人の「買い物客」に購入と返品の手続きを委託することによって、合衆国および英国でデータを収集している。このデータが配達、返金の早さ、応答時間といったカスタマー・サーヴィスの成績を形成していく。また、店舗内カスタマー・サーヴィスにおける効果測定にも着手しており、たとえば買い物客がオンラインで購入手続きをして店舗で商品受け取り、あるいは返品を行なうといったケースを想定する。
同社はイーコマースの最有力企業各社からデータをくまなく収集しており、同社の顧客であるかどうかを問わない。だがステラの顧客は、ウェブサイトによると、ウォルマートやアバクロンビーといった企業が平均して年間10万ドルを支払って効果測定データを競合のデータも含めて取得しているという。
さらにステラはグーグルへデータのライセンス提供を行なうことによって売上高を上積みしている。グーグルは検索連動型広告アドワーズで表示される五つ星評価制度のためにデータを採用している。ステラによるデータはグーグルの店舗詳細ページにも表示される仕組みだ。
ステラは黒字転換には至っていないものの、売上高は昨年100パーセント以上の増収となったとライサーは述べている。
同社は現在70名程度のフルタイムの従業員がおり、調達した資金を投じてプロダクト開発や、旧世代店舗への効果測定の普及を目指している。同社は小売業以外の業種でもサーヴィス拡張に向けた検討過程に入っている。
「わが社はたんに小売業向けではなく、カスタマー・サーヴィス全般の役に立つことができると確信しております」と彼は言う。「小売業という枠を越えることなくして、わが社の飛躍はないと考えております」続きを読む
(From the Re/code blog post. Thanks to Jason Del Rey.)