IBMが医療写真技術に10億ドルの巨額投資

IBMは本日、シカゴを本拠とする医療写真会社のマージ・ヘルスに10億ドルを投じ買収することで合意したと発表した。
ビッグ・ブルーはマージの医療診断写真の技術を活用し、同社のワトソン認知コンピューティング・プラットフォームに統合する意図を表明している。ワトソンの機能のひとつである巨大なデータから独自の洞察を導き出す能力でもって、(7500の医療機関がマージのシステムを利用している合衆国内で)医療写真を解析し、医師や研究者の医学的な発見を支援する。
IBMによると、医療データの90パーセント近くが医療写真となっている一方で、患者への施術履歴を関連づける以外に実用的な解析手法が確立されていないという。心臓病学、整形外科学、眼科学といった医学分野での数千枚におよぶ医療写真の集積と検証を通じて実用的な法則を見出すことが可能ならば、そこには発展の余地が十分にあるという発想だ。
マージは昨年2億12百万ドルの売上高に対し530万ドルの欠損となっており、社員は800名程度である。
今回の成約は、IBMはワトソン・ヘルス事業ユニットの開設以来3件目となる大型買収となる。4月に同社は比較的小規模なヘルスケア・データ企業であるファイテルとエクスプローリスを買収した。さらに、ワトソンを通じてヘルスケア企業への投資を数件実施しており、ウェルトックが実施した22百万ドルの資金調達ラウンドにも参画した。
ワトソンは、覚えている方もおられるだろうが、数年前にTV番組「ジェパディ!」においてクイズで人間のチャンピオンを打ち負かしたコンピュータである。膨大なデータを微細にわたり網羅することで人間からの自然言語での問いかけに回答できる設計となっている。続きを読む
(From the Re/code blog post. Thanks to Arik Hesseldahl)