フェースブックがメッセージング・アプリにデジタル・アシスタントを試験導入

世界でもっとも大きなテクノロジ企業の数社であるアップル、アマゾン、マイクロソフトは、いつの日か、毎日の雑用をデジタル・アシスタントに質問するのと同じくらい簡略化することをめざしている。
フェースブックもそのリストに入れるときがきた。
ソーシャル・ネットワーキング企業である同社は水曜日、新しいサーヴィス「M」を試験運用していると発表した。これは人工知能にもとづくデジタル・アシスタントであり、日々のかんたんな用事、たとえば花を注文するとか、レストランの予約をするといったタスクを手伝ってくれる。このサーヴィスはフェースブックメッセンジャーに内蔵される見込みだ。これは同社の通信アプリとして人気が高く、現在7億人以上が利用している。ユーザはMをつかって、携帯メールを送信したり、ちょっとした質問に答えてもらえる。さらには何を買えばよいか、どこへ行けばよいかといったおススメまで提供される可能性もある。
フェースブックによるこのサーヴィスが生まれたきっかけは、デジタル・アシスタントという分野が球速に進展し(まだ未熟であるものの)参入が増えてきたことにある。このサーヴィスとの付き合い方はそれを利用する人の個性で変わってくる。アップルの音声操作方式アシスタント「シリ」はアイフォーンに統合されており、言葉によって指令や要求を行なうことができる。グーグルはアルゴリズムを活用し、その日にあなたが必要だと思われる情報を配達する(たとえば天気の警告や、最新の交通情報)。マイクロソフトの制作した「コータナ」や、アマゾンによる「エコー」もやはり同様のことができる。
その一方、スタートアップの「オペレーター」や「マジック」などは人間の力を活用したアプリを制作し、ユーザからの要求に対しカスタマー・サーヴィスの受付担当が応対する。フェースブックの手法はそれらの両方をあわせもったもので、アルゴリズムを活用するとともに、Mがより賢い結果を提供できるよう従業員がトレーニングを執行する。
いまのところ、Mは一部の招待限定で利用されている。だがフェースブックの最大の野望は、テクノロジ企業他社と同じように、幅広い人々に利用されることにある。
「Mがスケール拡大したサーヴィスに発展していくための道のりは、はじまったばかりです」とフェースブックのメッセージング・プロダクト担当ヴァイス・プレジデントを務めるデーヴィッド・マーカスは水曜日に公表したブログ記事で述べている。「しかしこれは画期的な一歩であり、いつかは多くの人がメッセンジャーを使ってありとあらゆる用事をすませることが可能になり、日々の暮らしのなかでほんとうに大事なことに集中できるようになるものと期待しています」続きを読む
(From the NYTimes.com blog post. Thanks to Mike Isaac.)