Core 2 Duo E6600とG965 Expressにしかないものとは

伊藤直也さんに学んだこと。のつづき。サーバを増やせばいいのではなく、サーバを増やすだけで問題解決できる技術を得ることに決定的な違いがある。
それをぼくなりに言い換えてみよう。そうすれば自分がどのくらい理解しているか確認できる。
サーバを増やすだけなら実現可能性は高い。しかし、利益を出しながら、不特定多数無限大のユーザを満足させつづけるということは実現不可能に近い。費用対効果というバランスの上に立っているのがウェブアプリケーションの世界。無料で使えるから人が集まる。人が集まるからよりよいサービスを作るための費用を大胆につぎ込むことができる。そのための費用はどこから? Googleのコンテンツ連動型広告(Google AdSenseAdWords)だ。だがお金は無限に集まってくるわけではない。入ってくるお金と出て行くお金のバランスを考えるのがはてなの仕事。
キーワードは「チープ革命」(これはここでは説明しない)だろう。その代表選手であるオープンソースソフトウェアをどのくらい生かすのか。ソフトウェアは無料。ハードウェアは無料にできない。ソフトウェアのコスト削減を最大限に増幅させる装置が安価なハードウェアで組み立てた自作PCサーバ。チープ革命の恩恵を最大限に増幅させるにはどうすればよいのか?
Core 2 Duoが出てきたとき、多くの技術者、経営者がその難しい問題への答えを見つけた。「そうか、やっと見つけたんだ、いま」「これだよ、オレの待っていたのは」「よし、Core 2 Duoを買いにいこう」
2006年の夏。Core 2 Duo秋葉原を救った。

  • 発熱が少ない
  • 消費電力が低い
  • ペンティアムとは比較にならないほどの高性能

7月22日。Windows Vistaの登場を待ちかねたPCユーザ、オンラインゲームユーザが秋葉原へ大挙押し寄せた。数々の雑誌やウェブサイトで絶賛されたCore 2 Duoを買いに来た。多くの人は自作PCのために、マザーボードも買っていった。
価格.com - インテル Core 2 Duo E6600 BOX クチコミ
価格.com - ASUS P5B クチコミ
インターネット上の掲示板「価格.com」では、Core 2 Duoの主力商品E6600のクチコミ掲示板は書き込みが5000件を超えた。P5Bは2000件を超えてなお書き込みが後を絶たない。アキバにとって空前絶後、前代未聞の記録的な事件だった。
祭りは長くつづかない。2007年の秋。Core 2 Duoはそれを必要としている多くの人の手に渡った。需要は落ち着き、供給は十分となった。新世代のCore 2 Duoが発売されると、Core 2 Quadの人気がとつぜん噴出した。Q6600が半額近くに価格改定されて改良型として売り出されたのが理由だった。E6600は買取に出され、中古市場に潤沢に流れ込んだ。販売後わずか1年の良質な中古品が半額で買えるようになった。マザーボードも同じように買取に出された。中古販売店では同じパッケージがずらりと並ぶ。インテルのP965 ExpressあるいはG965 Expressを搭載したマザーボードがもっとも多く流通している。P965はゲーム向け、G965は一般向け。サーバ向きなのは、G965だ。
E6600とG965 Expressはこれからも継続的に中古市場に潤沢に流れてくることが予想される。これは「『チープ革命』のもう一歩先」の話だ。新品の販売価格が毎年下がり続けるのが「チープ革命」だとすれば、安定した中古市場から良質な買い替え品を安価で調達するのは「『チープ革命』のもう一歩先」と言えるかもしれない。壊れたハードウェアは、即座に交換できる。予備が足りなくなれば、また調達する。そうこうしている間に、調達にかかる費用は安定的にゆるいカーブを描いて下がっていく。そこで余ったお金は、新しいよりよいサービスのために使う。

インテル Intel Core 2 Duo Processor E6600 2.40GHz BX80557E6600

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ASUSTek マザーボード LGA775対応 P5B P5B

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インテル Intel Desk Top Board G965RYCK BOXDG965RYCK

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