シスコ史上最大のスイッチ、ネクサス7000の先に見えるもの

ネクサス(Nexus)シリーズが新発表、第2四半期にネクサス7000が出荷される

米国Cisco Systemsは1月28日、データセンター向けの新しいネットワーキング・スイッチ「Nexus」シリーズを発表した。サーバとストレージが統合された仮想化システムが広がりを見せる中、Ciscoはネットワークでも同様のことを目指すとしている。

Nexusシリーズは、シャーシ、ラック・マウント、ブレード形式のルーティング・スイッチ製品ラインである。最初に投入される製品は「Nexus 7000」シャーシであり、2008年第2四半期に一般に入手可能となる見込みだ。

業界アナリストは、データ処理システムとストレージ・システムが連携/共有するのに伴い、データセンターにおけるネットワークの役割は増大していくと指摘する。「ネットワークは、今やデータセンターの『まとめ役』だ」と語るのは、米国の調査会社Yankee Groupのゼウス・ケラバーラ(Zeus Kerravala)氏だ。

 Kerravala 氏は、ネットワーキングとデータ処理の両方の経験を有し、その役割を果たせる唯一のベンダーがCiscoだと指摘する。しかしデータセンターの管理者の多くが、効率改善をもたらすであろうデータセンターの完全な仮想化を望んでいるにもかかわらず、Ciscoはまだその準備ができていない状況だという。

イーサネットスイッチとストレージ能力を融合する」

Cisco Systemsは1月28日、データセンター向けのスイッチ製品の新シリーズ「Nexus 7000」を発表した。イーサネットスイッチとストレージ能力を融合する製品で、仮想化に対応する新しいOS「Nexus Operating System」(NX-OS)を採用、シームレスなシステム設計や管理の簡略化を実現したという。

「データセンターの統合や仮想化が可能になる」

Nexus 7000は,拡張可能なモジュール型プラットフォーム。1台のシャシーで最大15Tビット/秒の通信速度に対応する。最大512基の10Gビット/秒 Ethernetポートをサポートし,将来は40Gビット/秒および100Gビット/秒のEthernetに対応する予定。Ethernetとストレージ機能を1つのプラットフォームにまとめ,すべてのサーバーにネットワークおよびストレージ・リソースへのアクセス・サービスを提供する。そのため,データセンターの統合や仮想化が可能になるとしている。

仮想化で重要なネットワークの管理ソフト「シスコ・データ・センタ・ネットワーク・マネジャ」

仮想化対応も特徴で、同社が昨年12月に発表したセキュリティアーキテクチャCisco Trusted Security」をサポートした初のプラットフォームとなる。このほか、データセンター内のネットワークの可視化を強化できる管理ソフト「Cisco Data Center Network Manager(DCNM)」にも対応する。価格は75,000ドルから。

データ・センタ3.0戦略?

データセンターの仮想化による柔軟性とスケーラビリティ向上を実現するCiscoのData Center 3.0戦略において、今回の発表はそのインフラ部分を担うものとなる。従来のデータセンターがデータトラフィック中心だったのに対し、今日ではIPネットワークという1つのインフラにデータ、音声、ストレージといったさまざまなデータが混在するようになり、イーサネットスイッチに対する要求が高まりつつある。処理能力を増大し、こうした仮想化環境でさまざまな用途に利用できる中核製品として用意されたのがNexusシリーズだ。

シスコがこれまでに作った最大のスイッチ

Cisco Systems Inc. today announced the biggest switch by far in its history, the Nexus 7000, which is designed for mission-critical data center use.

シスコ・システムズ社は今日、同社がこれまでに作った最大のスイッチ、ネクサス7000を発表した。これは最重要な役割のデータ・センタでの使用のために設計されている。

Starting at $75,000, the Nexus 7000 will ship in the second quarter with a new advanced operating system, the Nexus Operating System (NX-OS), said Jayshree Ullal, senior vice president of Cisco's data center, switching and services unit.

75,000ドルの価格で、ネクサス7000は新しく進化したオペレーティング・システム「ネクサス・オペレーティング・システム(NX-OS)」とあわせて第2四半期に出荷される、とジェイシュリー・ウラール(シスコ・データ・センタ、スイッチングおよびサービス部門上級副社長)が言う。

More than 1,500 patents were used in creating the Nexus platform, which cost Cisco more than $1 billion in research and development, Ullal said in an interview.

1,500以上の特許がこのネクサス・プラットフォームの製作に使われ、シスコは研究開発に10億ドル以上資本投下している、とウラールがインタヴューで語った。

Forbes.comが良記事

In his latest book, tech pundit Nicholas Carr put a name on a trend that's transforming information technology: As the world becomes more networked, he points out, computing power is undergoing "the Big Switch," moving off of desktops and into massive data centers, where it's cheaper and more efficient.

テクノロジ専門家のニコラス・カーが新著のなかで、情報技術を変質させようとしている潮流に名前をつけている。彼の指摘では、世界がよりネットワーク化されるとコンピューティング・パワーが「ザ・ビッグ・スイッチ」と呼ばれるデスクトップから巨大データ・センタへの移行へ進行中で、このほうが安く、効率的になるという。

Now Cisco (nasdaq: CSCO - news - people ), whose name is synonymous with networking, is eyeing that migration to the data center, and working on a big switch of its own--the biggest, in fact, that it has ever produced. On Monday, Cisco announced the development of the Nexus 7000, a network switch that's capable of routing 15 terabits of data per second--the equivalent of moving the entire contents of Wikipedia in a hundredth of a second, or downloading every movie available on Netflix (nasdaq: NFLX - news - people ) in about 40 seconds.

いまやシスコはネットワークの代名詞であり、データ・センタへの移行を目指しているとともに、自社製のビッグ・スイッチに取り組んでいる。実際これは同社がかつて生産したなかで最大のものだ。月曜日に、シスコはネクサス7000の開発を告知した。ネクサス7000は毎秒15テラバイトのデータをルーティングできるネットワーク・スイッチで、この能力はウィキペディアのすべての記事を100分の1秒でやりとりするのに相当し、ネットフリックス(Netflix)の動画すべてを約40秒でダウンロードするのに相当する。