合同会社設立224日目、朝

港区は雨。昨日からつづいている雨だ。日曜日。
グーグル・ニューズを見ていると、ときどき思いがけない、へんな記事に出会うことがある。それはほかの記事から離れた場所に、ぽつんと立っている。はぐれカラスのようだ。このカラスはとっつきにくいが、けっこういいやつだ。つきあってみると、なにか新鮮なことを教えてくれたりする。わたしはこのはぐれカラスを見つけて、とりあえず話しこんでみるのが大好きだ。そういうことがあると、「今日はよかったな、ぐっすり眠れそうだ」と思って、じっさいにぐっすり眠れる。わたしが求めているのは、たぶんこういうことだと思う。
グーグルからのいちばんの贈り物は、これだったのかな。
大事な知らせは大事にしなければならない。だが大事な知らせが、自分の好きなことかはべつの話だ。好きでなくとも、大事にしておく意味はある。それがそのまま自分の肉や血にならなくても、大事にしておけばそのうち向こうから話しかけてくれるかもしれない。だがそれはそのときにはわからない。だからとりあえず自分の書棚に入れておいて、そのままにしておく。それは場所もとるし、時間もとる、面倒くさいことだ。グーグル・ニューズはその面倒くさいことを早く終わらせてくれるものだと思う。面倒くさいことはしのごのいわずに、終わらせてしまおう。それがグーグルのおかげで、ずいぶん楽になった。
その先のことは、余った時間でゆっくり考える。グーグル・ニューズではぐれカラスと出会うことも、ある。ブログで出会った人からおもしろい本を教えてもらうことも、ある。布団にもぐりこんでいつも読んでいる本から宝物を発掘することも、ある。朝起きてしばらくぼんやりと考えていたら放っておいた種から芽が出ていることも、ある。
そこからなにかが生まれるために、わたしはこれをやっているのだろう。