創業チーム・メンバーと道を分つこと

(This is a translated version of "A VC" blog post. Thanks to Fred Wilson.)
アントレプレナーにとってもっともきついことのひとつは、共同創業者あるいは創業時のチーム・メンバーと道を分つことだ。ともにプランを練り、プロダクトをつくり、チームを形成していく初期の日々はきわめて重みがあり力強いものだ。この時期につくられた忠誠心は堅く、そうかんたんには破られない。
ビジネスを経営することはかんたんな仕事ではない。ビジネスのために正しいことをしていかなければいけないし、それがあなたにとって正しいことと相反することもしばしばある。
わたしはこれまでに何度もそれに当てはまることを見てきた。創業者のひとりあるいは初期チーム・メンバーが英雄的な実績を揚げ、すぐれたプロダクトをつくりだす。だが、会社が成長し、技術問題がチームでの取り組みに転じると、その人物(たち)はチームの環境ではうまく成果が出せなくなる。そうなるとアントレプレナーは痛みをともなう決断と向き合うこととなる。その会社をうまく飛び立たせるために大きな貢献をしてきた人をどうして解雇できようか? チームに残った人たちに、どんなメッセージを与えることになるだろうか? 友達なのに、どうして解雇できようか?
だがそれでも、あなたはそうしなければならない。5人や10人のときにうまくいくことと、50人やそれ以上のときにうまくいくことは別である。ロック・スターはよいチーム・プレーヤーには滅多になれない。凄腕のディヴェロッパは凄腕のマネージャには滅多になれない。最初のセールスを達成してきた人が、10人ものセールス人材のチームを管理するのにふさわしい人物になれることはほとんどない。
やらなければいけないとわかったときには、行動するべきだ。決断をするのが不安だからといって、先延ばしにしてはいけない。そして気前をよくすることだ。契約を満了させることよりもストック・オプションを行使させることのほうが望ましい。それから、冷酷に切ることで、その人が気を取り直せるための休暇を与えることも、気前よくするひとつの方法だろう。そしてなにより、その人のこれまでの貢献を褒めたたえる話し方も、気前よくすることだ。創業者のひとりなら、創業者と呼ぶことだ。社内外における貢献を正しく評価しつづけることだ。その人がふたたび花を咲かせることができそうな別の場所を見つけてやることだ。
その人が辞めていくこと自体よりも、その人の辞めていく経緯をうまくやれるかどうかのほうが、士気に与える影響は大きいとわたしは信じている。残されたチームが、なぜその辞職が必要だったのかわかってくれるのなら、なおさらのことだ。財政的に、またコミュニケーションにおいても気前よくすること、その辞職についてチームを集めてはっきりと説明することは、士気を保ったままあなたの会社をすばらしい職場にしていくために決定的に大事なことである。
わたしがヴェンチャー・キャピタルのビジネスにたずさわって25年ものあいだ、成功した投資を振り返ると、そのほとんどの会社が、スケール拡大しようという時期に創業者か主要創業チーム・メンバーの解雇を経験している。これはほとんど避けられないことである。もしあなたが会社をはじめようというのなら、ある時点においてこの転機に直面することを知っておくことだ。それは不快なことだろう。だがこれはどうしても経験しなければいけないことだ。メンター、コーチ、取締役の人たちとよく話し合おう。そしてアドヴァイスをもらおう。行動に移し、なんとかうまく、正しくやり遂げることだ。