フージョンioを傘下に収め、サンディスクはエンタープライズに大きく進出

フラッシュメモリ企業サンディスクがフージョンioを12億ドルで買収することに合意してから2ヵ月ほど経つ。フージョンioはエンタープライズ・データ・センターにフラッシュを持ち込んだ最初の企業のひとつである。
そこで次の問題。サンディスクは手に入れたフージョンで、何をするのか? わたしは今週、同社エグゼクティヴ・ヴァイス・プレジデント兼チーフ・ストラテジ・オフィサーであるサミット・サダナと会い、その質問をしてきた。
サンディスクが得意としてきたのは、カメラ向けSDカード、コンピュータなどのUSBサムドライヴといったフラッシュメモリをコンシューマに販売することだ。調査会社のIHSによれば、サンディスクはフラッシュカード市場の50パーセントを占有し、USBフラッシュメモリ市場の30パーセントを占有している。だがそれだけでなく、同社はフラッシュの製造においても大きな勢力であり、IHSの調査では、全世界のフラッシュ製造の20パーセントほどを握っている。同社がそれ以上を求めているのは明白だ。これを実現するためのひとつの道は、エンタープライズへの進出だ。同分野ではストレージ媒体においてハードドライヴからフラッシュチップへの置き換えが急速に進んでいる。
サンディスクは実際に2011年からエンタープライズを目当てに4社買収している。スマート・ストレージ・システムズ、シューナー・インフォメーション・テクノロジ、フラッシュソフト、プライアント・テクノロジに合計18億ドルを注ぎ込んできた。フージョンはこれらのなかでもっとも高額な買収で、もっともよく知られる企業だ。「4年前、われわれは弊社を取り巻く世界が変わろうとしていることに気づきました」とサダナは言う。「クラウド・コンピューティングがデータ・センターにおける弊社事業の推進力となることがわかったのです。われわれは、コンシューマ向けフラッシュ・ストレージのトップブランドにとどまらず、ストレージのトップになろうと決断しました」フージョンは、メモリ・テクノロジによって巨大データ・センターにおけるサーバ速度を向上することを最大の事業としてきた。コンピュータのプロセッサは作業をするために、非常に多くの時間を待ち時間として無駄にしていることが明らかになった。フージョンの制作した差し込みカードはこの遅延時間を大幅に削減し、プロセッサが常時データの流れに稼働している状態を保つ。常時稼働しているサーバの効率は高まる。アップルやフェースブックといった有名企業のほかにも、ウォール・ストリート投資銀行もフージョンの顧客となっている。好調な事業は2013年には4億3300万ドルの売上高となった。しかし、上場してきた期間中に黒字となったのはただ1度、2011年だけだった。同社のビジネスモデルは課題を抱えることとなった。需要と売上のサイクルは「デコボコ」だったと彼は言う。すなわち、同社の顧客がデータ・センターを新設したり、既存設備をアップグレードするときは事業は好調だ。そうでないときは、好調ではない。「われわれの目標は、少数の大口顧客による需要の増減に適応することでした」と彼は言う。「弊社のポートフォリオは、より幅広くマーケットに手を伸ばすというものです。フージョンはその歴史を通じて、ごく一部の大口顧客に依存してきました。そええが最近になってかなり多様化を遂げています」
メインストリームのサーバはヒューレット・パッカード、デル、IBMといった主要製造業者を通じて大企業に販売される。「われわれはこれらの製造業者ときわめて密接な関係を維持しています」と彼は述べ、PCおよびサーバ向けソリッドステート・ドライヴなどフラッシュ・テクノロジをこれらの企業へ提供している。
フージョン買収以前、同社のエンタープライズ向けフラッシュ事業とPC向けソリッドステート・ドライヴを合算すると同社の売上高の29パーセントであったとサダナは言う。(サンディスクの昨年の売上高は62億ドルだった)これまで同社はエンタープライズ向けフラッシュ事業の売上高を2016年までに10億ドルに伸ばす目標だった。「フージョンのおかげで、われわれは2015年にこれを達成できそうです」(続きを読む)
(From the Re/code blog post. Thanks to Arik Hesseldahl. )