何が起きたか?

リア・ヴュー・ミラーを見るのはあまり好きではないし、どちらかといえばわたしは後ろより前を見るのが好きである。 そのせいだろう、わたしは現在のようなかたちの仕事に従事している。
だが、それでも強いて2014年を振り返り、この間に起きたことを説明しようと思う。そうすることで、また前を見ることにもつながろうし、 これから起きることについて説明することにもなる。
説明はわかりやすさを目的としておらず、また正確性がその目的ではない。これは自分で思ったことの記録である。
1. インターネットのソーシャル・メディア段階は終わった。この数年ですでに起きていたことかもしれないが、今年は現実にそれを常に感じていた1年だった。アントレプレナーや開発者はこれからもソーシャル・アプリケーションを構築してゆくだろう。わたしたちはそれを利用しつづける。だが、そこにはかつてほどのイノヴェーションはない。大手プラットフォームは成熟している。その地位は磐石である。
2. メッセージングこそ新しいソーシャル・メディアである。 これは1で説明したことの一部だが、家族はホワッツアップのグループ機能をフェースブックの代わりにつかっている。 子どもはインスタグラムよりもスナップチャットをつかっている。2月にフェースブックがホワッツアップを買収したことがこのトレンドを決定づけた。
3. 「シェアリング・エコノミー」が 「レンタル・エコノミー」 によって置き換えられた。もう誰も実際にはシェアなどしていない。 多くの人々はカネを稼いでいる。シンプルに。テクノロジによって、 なにかをレンタルすることは10年前のなにかを買うことと同じようにかんたんになった。ユーバとエアbnbがこのカテゴリの勝者だが、これ以外のプレーヤーはいまもこれからも出てくるはずだ。
4. 資本市場がインターネットにすっかり移動した。これを人々はクラウドファンディングと呼ぶが、実際に資金調達することはグローバルなプラットフォームのアプリケーションで数十億人が同時に参加するリアルタイムの出来事となった。 インターネットで調達されている資金の総額は知らないものの、数百億ドルになっていることは確信できる。そのセクターはエクイティ、融資、 クリエーティヴ・プロジェクト、 チャリティ、資金の必要な個人への寄附、 エネルギー、 不動産などさまざま。
5. モバイルOSは2つの寡占となった。 だがアンドロイドはグーグルのアンドロイドとグーグル以外のアンドロイドに急速に二分され、後者はとくに有力な勢力になりそうだ。 2014年はシャオミーの台頭が目立った。 合衆国で上陸、普及が進めば、その場合はきっと興味深くなるに違いない。 同社はサムスンの再来というより、それ以上である。
6. モバイルとメッセージングがエンタープライズに影響しはじめた。その間にある溝を埋めるものが2014年の立役者となった。
7. ユーチューブはモンスターとなった。これまでもそうだったが、 2014年に16歳以下のエンターテインメント消費には欠かせない存在となった。この若者は今後急速に成長してゆく。「ザ・インタヴュー」をユーチューブで見ることは、この大きな1年の締めくくりとして、インターネット動画のキング(クイーンまたはジョーカー)となった同社の有終の美であった。
8. わたしたちはついにファイルから解放された。 ドロップボックス、グーグル・ドライヴ、サウンドクラウド、スポティファイ、ネットフリックス、HBOゴー、ユーチューブ、 ワットパッド、 キンドルその他あらゆる 種類のクラウド・ベースのサーヴィスがついに3文字のファイル名を駆逐した。mp3, mov, doc, xlsといったものである。ヤング・アダルト層と一緒にカリビア諸島のインターネット接続が悪いところで1週間を過ごしたことでそれが宣告となった。かれらはもうアイフォーンにmp3を仕舞っておくこともないのだ。続きを読む
(From the AVC blog post. Thanks to Fred Wilson.)