アップルはアイパッドを救済するため、スティーヴ・ジョブズが毛嫌いしたスタイラスをついに搭載する可能性

アップルは先日、スタイラスにかんする特許の認定を受けたが、これは同社が関連ツールを開発中であることを示唆するもので、またこれはスティーヴ・ジョブズが毛嫌いしたことでよく知られている。ジョブズによる反対にも関わらず、スタイラスこそ現在アイパッドに強く待望されているとの声が強い。
時はさかのぼり1990年代、アップルはニュートンスタイラスを搭載して出してきた。そしてその後、「パームパイロット」がパーソナル・デジタル・アシスタントという存在を広く知らしめた。そこにはシンプルなプラスティックのスタイラスが付属した。 長年にわたり、テクノロジ産業は「ペン・コンピューティング」の開発へと邁進してきた。
だが2007年のマックワールドでアイフォーンを初披露目したジョブズは、彼自身スタイラスの要否についてどう感じていたかを明らかにした。「スタイラスが欲しい人はどこにいますか?」と彼は言った。「彼らはそれを手に入れる必要があり、置き忘れたり、無くす可能性があります。誰もスタイラスなど欲しくないでしょう」
さて時は移り、アップルはそれを欲しいと思っているらしい。
アップル・インサイダーが最初にそれを報じたが、アップルは特許番号 8,922,530の「通信機能つきスタイラス」で、米国特許商標庁から認定を受けた。
今月になってから、アップルは「タッチ入力機器によって、スタイラス活用手段をタッチ・データ活用手段、ディスプレイ・リフレッシュの両者と同期させる」特許を申請した。また3月には、スタイラスの特許として「タッチ・スクリーンを含むコンピューティング機器の入力機器」にかんする申請書を提出した。
今週認定された特許では、加速度センサー、ワイヤレス伝達、ストレージなどのガジェットが明記されている。理論上、手書きノートや描画が、ひとつの機器からべつの機器に転送できるようになる。言い換えれば、こういった機能によって、会議やその他ビジネス用途に生かすことが可能となる。
これこそ、アップルが本気になって推し進める理由であり、アイパッドは今後一層ビジネス用途に便利となる可能性が高い。
1990年代の初頭を振り返ると、ペン・コンピューティングの狂騒が一時押し寄せた際、設計者たちはスタイラスや各種入力ペンがビジネス用途で正確性を重視する場合に強く要請されると見込んだ。
アップルはこれまでずっと、アイパッドがビジネス用途に向くと宣伝してきた。だがアイパッドの売れ行きが減速すると、アップルはこれまで以上に職場普及に注力し、たとえば今年はIBMとの提携を開始した。
自然の成り行きで、マルチタッチ・スクリーンは新しいエレガントな相互利用形態や入力形態への道を開いた。 だが、アップルはかなりの可能性で、数多くのビジネス利用者に対しアイパッドでの情報打ち込み作業や文書の共有手段としての成熟を望むか聞き込み調査を続けているはずだ。アップルがより大型のアイパッドを開発中であるという憶測があちこちで聞かれるのも無理はない。つまるところ、アップルは2015年にスタイラスを発売するのだろうか?  確かなことは何も言えない。というのは、アップルはありとあらゆる種類のガジェットやサーヴィスにかんする特許を申請してきたが、その大半がわれわれの目に触れずにいるからだ。
だが首席経営執行役員ティム・クックの下、アップルは市場へのより柔軟な実務的姿勢を見せてきた(たとえばアイフォーンの画面大型化など)点で、スティーヴ・ジョブズとは一線を引いている。続きを読む
(From the VentureBeat blog post. Thanks to Chris O'Brien.)