IBMはメインフレームZ13をスマートフォン経済向けに初披露目

これまで両者はいかにも似合いそうもないなカップルだった。というのは、メインフレームという老馬と、スマートフォンというイマドキの青年のこと。
だがIBMは水曜日発表した最新式メインフレームで、スマートフォンを念頭に設計してきた。このメインフレーム「Z13」は、人々が毎日スマートフォンタブレットでやりとりするとてつもない量のデータや取引処理を捌くための機械となっている。
「これはモバイル・デジタル経済のためのメインフレームです」とIBMのシステム部門担当シニア・ヴァイス・プレジデントであるトム・ロサミーリアは言う。「次々と押し寄せるモバイル取引を効果的に流れ作業に落とし込むためのコンピュータです」
IBMはこれまで3年ごとに新型のメインフレームを発表してきた。この更新の成否は同社の事業にとって決定的に重要だった。メインフレームだけではIBMの全売上高の3パーセントを占めるにとどまる。だがそれに使われるソフトウェア、サーヴィスおよびストレージは同社の売上高の25パーセント、営業利益の35パーセントを占める。これはバーンスタイン・リサーチのA.M.サコナーギによる推計額だ。
長年にわたり、IBMはメインフレームの更新を成功させて最新の大型処理作業をまかなってきた。現在のメインフレームはオープン・ソースのソフトウェアであるリナックス・オペレーティング・システムを採用している。
だがIBMは目下、重大な転機へと差し掛かっており、 クラウド・コンピューティング、ビッグ・データ・アナリティクス、企業向けモバイル・アプリケーションといった成長著しい事業へ巨額を投資している。だがこれらの事業の成長は、かつてのハードウェア、ソフトウェア、サーヴィスにわたる従来型事業の縮小分を埋めるには不十分である。
IBMにとってメインフレームは成長分野ではない。だがメインフレームを普及させることはIBMの戦略にとって不可欠である。同社がこれから伸びる分野を拡張させるのに財務的時間的足掛かりとなるからだ。「メインフレームの地位を固めることは、企業向けサーヴィスの対応窓口と同じように欠かせないものです」とサコナーギ氏は述べる。続きを読む
(From the NYTimes.com blog post. Thanks to Steve Lohr.)