グーグル・ヴェンチャーズのウェズリー・チャンがフェリシスに移籍

ウェズリー・チャンはグーグルに長らく勤め、そのあいだ検索の巨人である同社のヴェンチャー投資部門が成長するのに貢献してきたが、このたび彼は同社を退社し、競合するヴェンチャー・キャピタル事務所に加入した。
チャンが加入したのはフェリシス・ヴェンチャーズで、役職はマネジング・パートナーだとインタヴューに答えて明かした。彼はフェリシスで4人目の投資パートナーとなる。同社は2005年にグーグル幹部アイディン・センカットにより設立された小型VC事務所である。
彼の起用に併せてフェリシスは、運用資金を9600万ドルから1億2千万ドルに増額した。これまで同社のリミテッド・パートナーたちは加入時に資金を投じており、このほかダートマスなどアイヴィーリーグ大学による投資も増額に寄与しているとセンカットは言う。
フェリシスは「スーパー・エンジェル投資家」とよばれるトレンドの形成に一役を買ったVCのひとつで、これは従来のVCにくらべると小規模だが資産家の個人やエンジェル投資家たちよりも大型の投資をする事務所である。センカット率いるチームはたとえば健康状態追跡機器メーカーのフィットビット、モバイル・ゲーム会社のロヴィオおよびヴィデオカメラ・メーカーのドロップカムといった急速に成長するスタートアップへ初期段階から投資してきた。
チャンはグーグル・ヴェンチャーズの投資職を1年前に退任しており、その後同社のアントレプレナー・イン・レジデンスの役職にあった。この1年で彼は個人的にテクノロジ企業10社ほどに投資しており、なかにはホートンワークス、ニュー・レリックといった先日新規株式公開を達成した企業も挙げられる。
テクノロジストとして彼はグーグルの音声通話サーヴィス、ウェブ解析サーヴィスの開発に寄与した。グーグル・ヴェンチャーズではパースへの投資に主幹事として関わった。同社はモバイル・ソフトウェア・ツール制作を手がけ、その後フェースブックに買収された。このほかに、カスタマーサーヴィス・ソフトウェア企業のオプティマイズリーへの投資に主幹事として関わった。
チャンは自分でスタートアップ設立を計画していたが、昨年センカットとヴェンチャー投資について協議を続けた結果、このような決意に至ったという。2人は小規模ヴェンチャー・ファンドの優位として、スタートアップ設立者たちと密接な関係を築くことによって大きな機会を得られるという信念を共有している、とチャンは言う。
「グーグル・ヴェンチャーズは結局のところ、数十億ドル規模のファンドを打ち立てることがその存在意義となっているのです」とチャンは言う。「フェリシスは成長の段階において機動的な戦略を採ることができ、設立者たちにも個人的な助言を続けられると思います」続きを読む
(From the Venture Capital Dispatch blog post. Thanks to Douglas Macmillan.)