グーグルはカンザスシティ地区グーグル・ファイバーでターゲティングTV広告を試験運用へ

可愛らしい動物。耳に残って離れない音楽。地元スポーツスターの不馴れな演技。これらは地方テレヴィジョン放送局の流す広告の代表格だった。グーグルはそういったものをこれまで以上に人々の目に触れる機会を増やすつもりである。
カンザスカンザスシティミズーリ州カンザスシティでのグーグル・ファイバー・インターネットおよびテレヴィジョン・サーヴィス契約者への告知のなかで、同社は今後視聴者の居住地と視聴履歴に基づいた広告を試験運用すると述べた。このサーヴィスについて取材したところ、事実関係を公式に回答したグーグルのスポークスウーマンによると、数週間以内の開始を見込んでいるという。
競合するケーブル・テレビ企業各社が同様の方針変更を行えば、今後は多くの人々がテレヴィジョンを見る習慣が変わっていくだろう。たとえば、無料版で視聴する人には、同じ地区で同じ番組を視聴していても、見ているコマーシャルは別々となる。そうすると、広告が販売される方式も変化し、広告主はいつ、どこの、誰に広告を流すかの具体的指定が行える。オンライン広告ではすでに行ってきたことが可能になるわけだ。
グーグルの試験運用は、当初はカンザスシティ地区の契約者限定で(彼らは視聴履歴を広告表示放映のために利用するか可否を設定できる) 居住地ごと、そしてよく見る番組の属性でターゲティングを行う計画である。
「ファイバーTVの広告は視聴者の居住地や視聴履歴(スポーツやニューズなど)を計測して、個別に最適な内容をリアルタイムでデジタル配信されます」とグーグル・ファイバーのオンライン・フォーラムで述べられている。「もしあなたがカンザスシティの商店経営者なら、これまでのオンライン広告と同じように表示された広告に対して広告費を支払うだけで済みます。広告がTVで表示される回数に上限を設けることもできます」
アナリストたちはグーグル・ファイバー・インターネット・サーヴィス発表当時より、同社がいずれはTVターゲティング広告に乗り出すだろうと予測してきた。同サーヴィスは通常のブロードバンドの100倍の速度となる。
グーグルは600億ドルの年間売上高の大部分を、利用者の関心に最適化したターゲティング広告を表示することで伸ばしてきた。
また、視聴者の嗜好に合わせたTV広告を放映するためにテクノロジを駆使することはもう何十年も行われてきた。ケーブルTV企業も同じことに取り組んでいる。
インディヴィ・テクノロジーズは、ニュージャージー州プリンストンを本拠とし、合衆国内で利用されているセットトップボックス約3000万台にソフトウェアを提供している。このソフトウェアでは視聴者の年齢、性別、収入、犬か猫を飼っているか、自動車のリース契約が更新時期かどうかなど、さまざまなデータを収集できる。ヴェライゾン、ディッシュ、ディレクTV、コムキャストといったケーブルTV企業各社が顧客である。
「 ダイレクトメールのテレビ版と言ったらよいかもしれません」とインディヴィ社エグゼクティヴ・ヴァイス・プレジデントのマイケル・クビンは語る。
グーグルがテレヴィジョン広告にとって代わるとは誰も思っていない。グーグル・ファイバーはカンザスシティ地区で提供されているが、これはテレヴィジョンという膨大な市場にあっては、ほんの小粒である。 調査会社のモフェットネサンソンによる最近の発表によると、第4四半期時点でグーグル・ファイバーのテレヴィジョン・サーヴィスを契約しているのは、カンザスカンザスシティおよびミズーリ州カンザスシティを合わせて、3万世帯にすぎないという。続きを読む
(From the NYTimes.com blog post. Thanks to Conor Dougherty.)