マリッサ・メイヤーがヤフーの大幅な幹部人事を実行

ヤフー首席経営執行役員マリッサ・メイヤーは金曜日、同社プロダクト・チームの大幅な組織再編を発表した。これにより最近買収した企業の幹部を昇進させるとともに、それ以前に買収した企業のトップを降格させることになる。
今回の新しい社内組織で、インターネット企業である同社において加速度的に増大中のモバイル・データ分析の主唱者とされるサイモン・カーラフは、シニア・ヴァイス・プレジデントに就任し同社のコンシューマ関連プロダクト全体を統括することになる。なお、ヤフーのホームページ、スポーツや映画といったテーマごとのポータルページ、関連するヤフー・アプリも彼の配下となる。
カーラフ氏は7月にヤフーに加入したが、これは彼のモバイル・アナリティクス企業フラーリが3億ドルで買収されたことによる。フラーリはモバイル・アプリ開発者向けにデータおよび広告サーヴィスを提供してきた。今後同社はヤフーがグーグル、フェースブックツイッターといった競合と対抗すべく、モバイル・データ管理ツールの活用を開発者各社に呼びかけるために中核の戦力となる。カーラフ氏は、込み入った情報をカンタンでハッキリとしたことばで解説するのを得意とする早口の男で、ヤフーにとっては社外への宣伝役として、またヤフーの主催するモバイル開発者向けコンファレンスでの立役者として目立った存在となっている。
今回の組織再編の結果、ブロギング・プラットフォームのタンブラーと、同社首席経営執行役員デーヴィッド・カープはカーラフ氏の直属に入ることが金曜日ヤフーの発表した社内向け文書により判明した。
カープ氏はこれからも幹部チームに属するものの、今後はメイヤー氏の直属から外れる。タンブラーは2013年に11億ドルでヤフーへ身売りした。
今回の人事からは、タンブラーが得意とするアーティスト、ティーンエージャー、20歳前後といったオーディエンス主体からの脱却を図るものの実績が伴わないことが透けて見える。表現意欲の強いこれらの中核をなすユーザからの支持は強い。ヤフー社内でタンブラーはデジタル・マガジンのテクノロジを支える技術を提供しているが、広告主を呼び込むうえでは難題に直面してきた。タンブラーの広告担当幹部だったリー・ブラウンは先日同社を退社しバズフィードに移籍した。これはヤフーがタンブラーの広告営業部隊をヤフー本体に合流させたためである。
ヤフーのシニア・ヴァイス・プレジデントを務めてきたマイク・カーンズは同社を退社し、アントレプレナーとしての事業機会を追求することになった。これも同社の社内文書から判明した。退社を表明するツイートのなかで、カーンズ氏はヤフーでの5年間の勤務について、「すぐれた社員の皆さんと出会い、有意義な勉強ができました。これを生かして、将来へグンと羽ばたくのが楽しみです」と述べている。
また、べつの幹部2名が役職変更となった。
アダム・カーハンは、ヤフーをモバイル中心企業として蘇生させるためメイヤー氏が急先鋒として起用してきたが、今後彼は同社の動画部門を率いることになる。インターネット大手企業ではよくあるように、ヤフーはモバイル・ユーザがいかに動画視聴を熱心に求めているかをはっきりと見出した。そこで同社はユーザの熱心さに応じるうえでどういった手法が採れるか、またどういった収益化手段があるか研究している。
カーハン氏はこれまでメイヤー氏の右腕として信頼を受けてきた。今後はユーザ・インタフェースとプロダクト・デザインにわたって、メイヤー氏のとりわけ重視するトピックを追究していく。
ジェフ・ボンフォーテは同社のイーメールおよびメッセージング・プロダクトを統括してきたが、今後彼はこれらの用途に特化したモバイル・アプリを指揮するとともに、同社の写真共有サーヴィスであるフリッカーを統括する。
ヤフーのスポークスウーマンは幹部人事についてコメントの要請に応じなかったが、次のような声明文を発行した。「弊社が今後の一層の成長軌道に乗るうえで、プロダクト・チームを最適化し緊密な共同作業環境を整えることはイノベーションの加速とユーザの皆様に満足いただけるエクスペリエンスを実現し、ヤフーのプロダクトをご利用いただくうえで不可欠なものです。この最適化を実現するため、弊社は多方面で組織再編をおこない重点分野をモバイル、ソーシャル、ネーティヴ・アプリ、動画(「メーヴンズ」)と策定いたしました」続きを読む
(From the NYTimes.com blog post. Thanks to Vindu Goel.)