ユーチューブの広告はユーチューブ動画の収入源に足りていない、とユーチューブ動画制作者がユーチューブ主催の壇上で語る

ユーチューブはこの4年間にわたって、ニューヨーク・シティにいる広告主向けの大掛かりな発表会を主催してきた。今週行なわれた会合では関心を惹くような売り込みがさかんに広められた。美しいプロダクションによる価値創出、驚くような統計、ミュージック発表、と広告主が印象に残るような仕掛けが多数あった。今年はブルーノ・マーズ、昨年はファレルだった。
だがユーチューブは筆者のわたしも見たことのないようなことを今回やってみせた。ユーチューブがなぜ広告主を必要としないのか、説明してみせるというものだ。
水曜日の「ブランドキャスト」の12分のステージのなかでジョン・グリーンが語ったことの意図は、ユーチューブの見解をそのまま伝えるものだったとは思えない。
ユーチューブ幹部は、動画制作者や小説家(彼は「ザ・ファルト・イン・アワ・スターズ」の作者)を通じ広告主に対し旧式のインターネット接続のないTVから、新式の気鋭ユーチューブへと広告費を移行させようと訴えかけようとしたのだと思われ、それはユーチューブの仕掛ける売り込みにとって最大の命題だったはずだ。
だがはっきりといえることは次の通りだ。グリーンがプレゼンテーションのなかで訴えかけたのは、ユーチューブにおける広告がいかに「低評価」されているか、また彼やその兄弟のハンクが制作した動画の収入源に不十分であるかといった内容だった。だが、彼はそれでかまわないと考えている。
むしろ、グリーンが訴えたことは、彼と兄弟は、共同で動画を制作する同僚と同様、寄附や関連商品の売上に収入源を確保しているという内容だった。
「ひとついえることは、わたしと兄弟が同僚とともに作り上げたものはほぼ広告収入を得ていません。今日、ハンクとわたしは30人の従業員の助けを得てためになる、おもしろい動画をこしらえました。しかし、視聴者数と再生回数が10倍にも伸びていくなかで(1千万を超えました)わが社の売上のうち、広告収入はほんの20パーセントにも満たないのです。それに、このパーセンテージは毎年5パーセントずつ縮小の傾向にあります」
グリーン兄弟が動画広告についてどのように期待しているか、くわしく知りたい場合はハンク・グリーンが先月発表したミディアム記事を読むことをおすすめする。そこで彼はユーチューブの広告モデルがいかに欠陥を抱えているか説明している。
結論をすぐ知りたい? そういう人にはつぎの小見出しがうまくまとめて表現していると思われる。「広告はいわば腐りかけたモデルだ。それを乗り越えていけるのなら、たいへんありがたい」
動画制作者たちはこれまでユーチューブが何年間もつづけてきた広告収入の扱いについて、不平を述べてきた。ユーチューブは通例それをハイライトするのではなく拡張する。では、水曜日の会合ではいったい何をしようとしていたのか?
話を戻すと、グリーンの行なったスピーチを読み返すかぎり(ぜひそうしてほしいが)結論は何なのか、2つに意見が分かれてしまう。水曜日のスピーチを見た人に取材したところ、皆が口を揃えてグリーンの登場が会合の見せ場だったという。彼が主催者のビジネス・モデルについて懐疑的かどうかは、人によって意見が異なった。あとはご自身で確かめられたい

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(From the Re/code blog post. Thanks to Peter Kafka.)