インテルのプレジデントを務めるルネイ・ジェームズが退任へ

ルネイ・ジェームズはチップの巨人であるインテルの上級幹部の2位である役職から退任し、他社のCEOを引き受ける見通しとなったと同社が明かした。
ジェームズは後任の引継ぎがあるため1月までは役職にとどまる予定であると同社は表明している。彼女がプレジデントに任命されたのは2013年5月、CEOブライアン・クルザニッチが就任したのと同じ時で、先代CEOポール・オテリーニの引退にともなって取締役会に選出された2人はチームとして活動すると前例のない提案を行なった。
「ブライアンとわたしが現職に任命されたとき、わたしは会社のリーダーになることが自分にとってリーダーシップをめぐる旅の行き先だと認識していました。そして、いまが次のステップに踏み出すべきときとなったのです」とジェームズはインテル社員へ向けて配布されたメッセージで述べている。
2012年後半に、オテリーニが不測の引退を表明したことによって行なわれたCEO選出過程において、ジェームズは可能性の低い候補者のひとりだった。彼女はマカフィー・セキュリティ・ソフトウェア部門会長だった。同社は2011年にソフトウェア企業ウィンド・リヴァー・システムズと同時にインテルに買収された。彼女はインテルマイクロソフトとの関係構築のうえで重要な役割を担ってきた。
インテルの製造畑を担当してきた幹部であるクルザニッチは2012年前半に、CEOの引継ぎが発生した際COOに任命されていた。クルザニッチとジェームズがCEOとプレジデントでチームを組むという懸案は当初取締役会にとっては前例のないことでサプライズとなった。2人は共通した戦略ヴィジョンとして、モバイルとウエラブルの市場での勝ち残りを宣言した。それまでPC向けやサーバ向けのチップ製造では市場の覇権を握っていたものの、インテルスマートフォン市場での存在感を示すことに失敗しており、ウエラブル市場での主導権を握るという取り組みはこれまで際立った成果をみせているとはいえない。
ジェームズの退社によって、インテルCEOの後継者争いという不動の課題が浮き彫りになっている。クルザニッチは現職に就いてからまだ2年ほぢそか経っておらず、今後も同社の事業が危機的に傾かないかぎり、予測可能な将来にわたって経営権を維持するとみられる。
それでも、次期CEOの選出がいつか行なわれることは時間の問題で、社内の候補者はすでに名が挙がっている。CFOステーシイ・スミスは、チップメーカーである同社のCFOを長らく務め現在は取締役会議長のアンディ・ブライアントの後を継いだ。もうひとりはインテルCIOを務め現在はシニア・ヴァイス・プレジデント兼データ・センター・グループ長であるディアヌ・ブライアントである。同グループはチップ企業である同社にとって2番目に大きな事業ユニットで140億ドル規模を生み出す一方で黒字幅は最大である。
インテルはさらに、インテル子会社であるインテル・キャピタルのプレジデントを務めるアーヴァインド・ソダーニが1月に引退し、35年の勤続を終えることになったと発表した。現在M&A統括者を務めるウェンデル・ブルックスインテル・キャピタルの運営も兼務することになる。
インテルはさらに、2名の退社を発表した。コーポレート・ヴァイス・プレジデント兼モバイル・コミュニケーションズ・グループのジェネラル・マネージャを務めるハーマン・ユールと、コーポレート・ヴァイス・プレジデント兼ニュー・デヴァイシズ・グループのジェネラル・マネージャを務めるマイク・ベルが退社となった。
コミュニケーションズ・デヴァイシズ・グループのジェネラル・マネージャであるアルチャ・エヴァンズが昇進しモビリティ・ストラテジ統括者となるほか、ニュー・テクノロジ・グループのジェネラル・マネージャであるヨッシ・ウォールデンが昇進しプロダクトおよびリサーチ部門を統率しウエラブル・コンピューティングなどに携わることになった。
同社は社内組織の変更を併せて発表した。インテル・セキュリティ・ユニットは(2010年に77億ドルで買収された)マカフィーなどの会社で構成されるが、今後は完全に同社の傘下に入り、ジェネラル・マネージャのクリス・ヤンの配下となる。続きを読む
(From the Re/code blog post. Thanks to Arik Hesseldahl.)