フェースブック傘下のインターネット・オルグがドローン「アクィーラ」を導入へ

投資家はフェースブックが高度テクノロジ調査研究費をどこに投じるか目を光らせてきたが、その新報が届いた。
フェースブックは14か月かけて太陽光発電つきの飛行体を設計開発し、今年中に試験運用を開始すると発表した。ソーシャル・ネットワークである同社がこれまで高額を投じて仮想現実ハードウェアやネットワーキング・インフラストラクチャを手中に収めてきたことの続きである。
この飛行体、ドローンは「アクィーラ」と命名され、フェースブックがかねてより推し進める世界中のインターネット接続をもたない人口(推計28億人)へのアクセス提供「インターネット・オルグ」の一部に組み込まれる。
グーグルと同じように、フェースブックは旧来型の有線接続および無線ネットワークの恩恵を受けていないとみられる多くの人にインターネット接続を提供するため実地検証を進めている。国際連合の傘下にある国際通信連合によると、世界人口の43.4%がインターネットを利用していないという。
「弊社はこれまで飛行体、衛星、地上基地といったソリューションを検討しさまざまな角度から検証を進めてきました」とフェースブックのコネクティヴィティ研究所の統括者であるイエル・マグワイアはブログ記事で述べている。
アクィーラはボーイング737と同等の翼幅をもつが、質量は自動車と同等で、離陸後3か月間は連続飛行ができる。また、別の飛行体へレーザーでデータ転送が可能になるほか、地上にあるタワーや基地に50kmを限度として信号の伝達も可能だ。アンテナは受信した信号をWiFiまたは4G通信網へと変換するのに使われる。
このドローンは日中6万フィートないし9万フィートの間を飛行し、商用飛行機や通常の気候変動の影響を逃れる。夜間は太陽からの充電ができないため、アクィーラはエネルギー節約のため高度を下げる。フェースブックはこのドローンを3か月ごとに交替させ、通信の遅延はほとんど発生しないとマグワイア氏はウォール・ストリート・ジャーナルの取材に応じて答えた。
フェースブックカリフォルニア州でレーザー・システムの試験運用を続けている。現行のプロトタイプでは毎秒10ギガバイトのデータを転送でき、これは業界の通信速度を大きく上回る。ドローンの通信網は特定の地域ごとに適した設定で、需要の集中や変動を見込むとマグワイア氏は述べている。衛星はどちらかといえば人口密度の高い地域向けだという。
技術的な難点があるとすれば、ドローンのシステムを維持しつつ飛行を安定させる電力を確保できるかだという。マグワイア氏によると、携帯電話業界で採用されている高度に合理化された半導体を用いることが前進への一歩だという。しかし、先には乗り越えるべき壁がまだ多い。「弊社が要求する水準のバッテリ技術がまだ存在していないのです」と彼は言う。
さらには、技術だけでなく、規制当局からはプログラムの速度設定について調査が入る可能性が高い。電波の周波数域については各種の問題があり、国境を越えて飛行することに許可を得るためには時間がしばらくかかりそうです、とマグワイア氏は述べる。
フェースブックのドローン・プログラムは非常に高額になるものの、同社の研究開発費の予算からすればほんの一部にすぎない。「投資家はフェースブックやグーグルのような企業に対し、中核事業から外れた事業機会創出の取り組みを支持しています。長い目でみればそれが強みを生み出すという期待でしょう」とマッコーリー・グループ証券アナリストであるベン・シャクターは指摘する。「中核事業が好調を保つかぎり、投資家は受け入れるのではないでしょうか」続きを読む
(From the Digits blog post. Thanks to Ania Nussbaum and Robert Wall.)