インドにおけるアマゾンの強敵であるスナップディールはアリババ、フォックスコン、ソフトバンクから5億ドルを資金調達

アリババはついにインドで盟友を見つけた。同国は世界でいちばんホットなイーコマース市場かもしれない。
中国におけるイーコマースの巨人である同社はインドを本拠とするイーコマース・スタートアップのスナップディールが実施した5億ドルの資金調達ラウンドに参画した。複数の情報源が明かした。このラウンドには台湾でアップルのアイフォーン製造を手がけるフォックスコン、またスナップディールに以前より投資しているソフトバンクが名を連ねている。
スナップディールはこれまでにソフトバンク、イーベイ、ブラックロック、ベセミア・ヴェンチャーズのほか、インド国内のヴェンチャーキャピタルであるカラーリ・キャピタルやネクサス・ヴェンチャー・パートナーズが投資家として参画している。アリババとフォックスコンは今年になってから投資を検討していた。6月にウォール・ストリート・ジャーナルの報道でスナップディールの評価額が50億ドルに達したと報じられている。
同社は2010年にカノール・バールとローヒット・バンソルが創業した会社の流れを汲んでおり、当初はグルーポンの模倣から始まった。同社の現状はオンライン・ショッピング・マーケットプレースで、カメラ、ジーンズ、玩具といった多種多様な商品を販売している。競合であるフリップカートはやはりインド国内で創業し、現在15億ドルの評価額となっている。また、アマゾンはインド事業に数十億ドルを投資している。
昨年スナップディールは地域特化型のオンライン・コマース企業を買収することによってエコシステムの形成に努めてきた。インド国内でプリペイド携帯電話やプリペイドTVの料金プランに振替入金するサーヴィス「フリーチャージ」を買収したほか、クレジットカードやローンに主眼を置く比較ショッピング・サイト「ルピーパワー」を買収している。このような手法は、顧客の属性や地域を問わずにマーケットプレースの拡張を進めてきたアリババとは大きく異なる。
今回の投資によってアリババは、合衆国外で引き合いに出されることが最も多いインド市場で、進出の足がかりを得ることになる。今年、アリババ創業者のジャック・マはインドを訪問し、世界で2番目に人口の多い同国での事業投資に関心を示した。アリババとスナップディールは今年に入ってからまもなく数回にわたる協議を進めてきた。
アリババのスポークスマンはコメント要請に応じられないと回答した。投資に参画した各社のスポークスパーソンはコメント要請にまだ返答していない。
インドでの投資活動に付随する要素は人の多さである。インドは世界2位の人口で、年齢層も若い。人口の3分の2以上が35歳以下で、平均年齢は27歳と、合衆国より10歳以上若いことがゴールドマン・サックスの調査報告で明らかになっている。
このように若い世代はインターネットにはじめて接続する機会を得ており、PCを素通りして携帯電話から接続している。その結果、モバイル・ショッピング人口は爆発的に伸びており、データ使用料がその伸びを支えている。12月時点でインド国内のユーザは平均1メガバイトあたり0.5セントを支払っており、これは中国の半分以下、合衆国の3分の1近い安さであることを前述の調査報告は公表している。
フリップカートはインド国内の市場シェアで先行しているものの、スナップディールCEOバールが4月にリコード誌の取材に応じて語ったところによると、フリップカートやアマゾンは物理的な商品にこだわりすぎているという。スナップディールはバールの持論である2500億ドル規模の機会が潜在するとみられる、オンライン取引のあらゆる形態を取りに行くことをめざす。
「小売業と消費のあいだにある三角地帯とは何でしょうか?」とバールは修辞的に問いかける。「金融サーヴィス、教育、ユーティリティ、ヘルスケアです。しかし現在他社がやっていることは商品だけです」続きを読む
(From the Re/code blog post. Thanks to Jason Del Rey.)