グーグルはビジネス向けクロム・オペレーティング・システムの新型を初披露目

グーグルは大事な何かを達成することとなった。事業者に将来を売ることができるうえ、それは過去の遺産と一緒にやってくる。
同社は木曜日、ビジネス・コンピューティング向けオペレーティング・システムのクロムに変更を実施した。それも事業者はレガシー・ソフトウェアとよばれるアプリケーションの動作が可能となる。
デルはシステム・ラップトップ「クロムブックス」の新型を発表し、併せて同プロダクトの管理ソフトウェアを発表した。
これは偶然の一致ではなく、今回の変更によって事業者はたとえばマイクロソフトのウィンドウズ・オペレーティング・システム向けに書かれたアプリケーションを使用中であっても、移行作業がしやすくなった。アマゾン・ウェブ・サーヴィシズはビジネス・コンピューティング機能「アマゾン・ワークスペース」を提供しているが、このような仕様は導入されていない。
グーグルはこれまで、クラウド・コンピューティングをベースとしてシステムにおいて文書や表計算を作成するうえでの生産性を強調してきた。その利点としてはセキュリティに優ること(ラップトップにデータを保存する機会が少なく済む)管理がしやすいこと(オフィスにいてもコーヒーショップにいても同じ場所に保管してあるため見つけやすい)が挙げられる。
こういった視点で販売を続けてきて5年、グーグルはここにきて事業者の多くがあまりに多くのアプリケーションを使っているためクラウド移行が困難になっている現状を知った。固有のアップグレード方式が必要だったり、仮想コンピューティング・システムによって旧型と新型のソフトウェアの互換性が管理されているためだ。
「1年ほど前、3千人の社員と1万5千種レガシー・アプリケーションに依存するセメント会社を訪ねてきました」とビジネス向けクロム・プロジェクトを運営するラジェン・シェースは述べている。「これはわたしたちにとって『そうか!』の瞬間でした」彼はこの会社の名前を明かさなかった。
クロム・オペレーティング・システムの変更はデルにとって、平均的なセメント会社のテクノロジ部門が採用可能な仮想化環境を整備することを可能とした。さらに、個別のマシンの機能制限や管理がドロップダウン式のメニューから操作可能となった。
「多くの企業で30年動き続けているアプリケーションが使われています」とデルのクロムブックス事業を運営するカーク・シェルは述べる。「アプリケーションと特定機種のあいだにある依存関係を取り除く必要があります」
デルの新型クロムブックは399ドルから799ドルのあいだで、9月17日に発売される。シェル氏によると、デルは合衆国市場を最初のターゲットとし、その後国外でのプロダクト販売へと広げていく予定だという。
またクロムOSの変更のおかげで、現在クロムブックを利用している人が企業内システムへと加入する際にクラウドでそのアプリケーションが稼動していなくても済むようになる。これは性能の点よりも、ライセンス費用の削減という点で効果が高い。
また、開発者が複数のコンピューティング・システムをまたがって動作するアプリケーションを構築するのも容易になる。
デル以外にはシトリックス、ヴイエムウェアといった企業がクロムOSの変更を受け、仮想化環境の整備に着手している。クロムブックを製造する他社としてヒューレット・パッカードやエイサーは新機能の導入を予定しており、自前技術または共同技術により実現する。少なくとも11社がグーグルとの連携によってクロムブックを生産する。
ヒューレット・パッカードのような企業は新しい仮想化環境の導入に前向きだが、これには費用もかさむ。同社はIBMなどと同様に、コンサルティング事業を抱えており、旧型アプリをオンライン方式のためにアップデートするには費用がかさむ。
グーグルは今週、テクノロジ・ベースの持ち株会社へと再編することを発表したが、収益の大半はコンシューマがオンラインを利用する環境に広告欄を提供することから得ている。
ビジネス向けクロムはグーグルにとって、事業者により多くのアプリケーションを販売するほか、同社がクラウドに集積したデータにもとづくビッグデータ解析サーヴィスを販売するための足がかりであり、長期的な取り組みである。
シェース氏によると、世界各地で働く40億人の労働者人口のうち、7億人程度がパーソナル・コンピュータを利用しており、モバイル機器を利用しているのは2億人程度にとどまるという。スマートフォンをもつ人は10億人程度で、グーグルはこれを仕事道具として利用してもらおうと取り組んでいる。
「新しい世界は徐々にその姿を見せつつあり、問題はどのように人々にきっかけをもたらすかです」と彼は言う。「クラウドとモバイル機器をコンピューティング・プラットフォームに変えられるなら、わが社にはたくさんの可能なことが生まれます」続きを読む
(From the NYTimes.com blog post. Thanks to Quentin Hardy.)