リフトはローカル・デリヴァリー進出を検討したもの断念

リフトは中核プロダクトへの重点投資を決めた。
ライド・ヘイリング企業である同社はローカル・デリヴァリー市場に探りを入れてきたものの、結局袂を分かつこととなった。リフトのチーフ・テクノロジ・オフィサーであるクリス・ランバートがリコード誌の取材に応じて明かした。今回の施策により、リフトは規模で優るユーバの戦略から離れることとなった。ユーバはこれまで大小の小売業各社との業務提携によって配達サーヴィスを提供し、従来の乗車サーヴィスからの多角化を図っている。
リコード誌が取材した情報源3者によると、数社の小売業者がリフトに連絡をとり、デリヴァリーの開設について進言していたという。リフトはこのうち2、3社と試験運用を実施した(たとえばスターバックスのアイスコーヒーの配達など)が結局それ以上に踏み出すことはなかった。
「まったく検討してみないというのは責任を欠くことです」とランバートは言う。「しかし、目新しさを狙って行なう試験運用と、配達を続けることのあいだには隔たりがあります」彼はリフトの長期的な将来計画については明かせないと述べたものの、同社はローカル・デリヴァリーを今後も追求する計画はないという。
同社はそのかわり、従来のサーヴィスの拡張と改善に専念し、さらにカープール・プロダクト「リフト・ライン」を推し進める。今年になってからリフトはサンノゼ・マーキュリー・ニューズ紙の取材に対し、国際展開の計画はないと述べていた。同社はユーバとくらべてヴェンチャー・キャピタルからの調達金額が5分の1となっており、リフトは10億ドル、ユーバは50億ドル以上である。また、重点領域への専念によって過剰な拡大戦略を抑制するねらいもある。
リフトは新事業の可能性を取り逃す可能性もある。弊誌が取材した数社のなかには配達サーヴィスのためにリフトとの取引を希望している企業もある。理由はユーバよりも信頼を置けるからだという。このうち1社の創業者はリコード誌に対し、ユーバが配達サーヴィスの業務提携を打診してきたが辞退しており、リフトだったら可能性があったと明かしている。「提携があるとしたらすでに決まっていたはずです」
ユーバは財務力では優位に立っているものの、賛否両論の同社の評判はローカル・デリヴァリー市場の拡大戦略においては足枷となりうる。続きを読む
(From the Re/code blog post. Thanks to Carmel DeAmicis.)