「ウェブ進化は“女”が担う」を読んで

梅田望夫さんと大前研一さんの対談。[Voice]2007年9月号。
この対談は『ウェブ進化論』を絶賛する大前氏と、大前氏の本は全部読んだと忠誠を示す梅田氏の率直なやりとりで始まります。話はアメリカから中国、ハンガリーリトアニアまでビジネスの領域が広がったことへの言及へ移る。国境感覚は完全に崩壊した、という前提で日本人が英語圏のインターネットを避けて通れないことへと話が進む。以下、箇条書きにしてまとめ。

  • 言語圏で大陸が分かれるインターネット
  • コストの各国の違いで大陸が分かれる物理的な世界
  • グーグルの強さは世界中からリソースを引っ張ってこられることにある

大前 グーグルの時価総額は二〇兆円近くありますから、危険な会社があれば全部買ってしまえばいいわけです。事実、「YouTube」もあっという間に買ってしまった。
 しかし、いまのところグーグルはやることすべてが中途半端で、それぞれの分野ではもう少し強くて先に進んでいるスティッキー(粘着度のある)な企業がある。そこに限界を感じます。

梅田 いまのグーグルのビジネスモデルは非常に簡単です。たった二つだけのビジネスによって成り立っている。アドワーズアドセンスという広告だけで、二兆円近い売り上げを達成し、検索の質を高めれば、売り上げが伸びていく構造です。ほかのサービスはいますべて、採算度外視ですからね。

私はあまりうまくいくとは思えないんですが。

じつは僕もそう思っているんです。

  • 教育の重視で一致する両氏
  • これからのウェブ進化は女が担う

私はこの十年で日本は二十年遅れたと思っているんです。付いていけない人はもう置いて行くしかない。古い人を教育するのはイヌに向かって「ニャーと鳴け」というようなもの。「日本A」と「日本B」があって、日本Bがいずれ拡大していく。そこで若い人にもチャンスが出てくるなら、むしろいいことではないか。
梅田 日本Bには、かなり手応えを感じられますか。
大前 感じられます。とくに二十代ぐらいまでの女の子の携帯文化は、世界一ユビキタスです。“指来たス”といっていいくらい(笑)。

(part 1 of 2)
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