合同会社設立208日目、朝
港区は曇天。昨日は雨が降ったので、暑さはだいぶ落ち着いている。
昨日は速報を追いかけてとりあえず時間いっぱいまで読むことにした。ブックマークに入れる記事を選ぶ作業というのは、ルールを決めようとしても、なかなかそのとおりにいかないことが多いということがよくわかった。わたしの場合、すべてのブックマークにコメントをつけるというルールを決めているので、かぎられた時間のなかでブックマークに入れられる記事の数はそれほど多くない。だがコメントをつけるというルールは読みを深くするということがよくわかった。このあたりがいいかな、と思ったところで字数制限をわずかに超えてしまうことが判明して、悔しいけれどべつの段落にしよう、などと読み返す。その作業が読みを深く、確かなものに成長させてくれる。これはわたしには、おおきな発見だった。さらに言うと、はてなブックマークに入れてから、del.icio.usに入れるという二度手間をとることの利点も発見した。字数制限がdel.icio.usのほうが少ないので、はてなブックマークにつけたコメントをもういちど見直すことになる。ほんとうにだいじな部分を選んで、慎重に刈り込んでいく。そうやってできあがったコメントが美しいものかは、よくわからない。だが作業をしている本人には、だいじな成長の場となっている。だからそれを人に読んでもらえるというのは、「自分のためにしていることが誰かの役に立っている」という具合に思う。
わたしがふと思ったことは、これは線を引きながら本を読むのと似ている。
違うのは、線を好きなだけ引けるわけではないこと、線を引いた瞬間に誰にでも読めるようになることだ。そこで思うことがあって、本を読むときはたとえば二色や三色で線を引くこともできるけれど、はてなブックマークやdel.icio.usではそうもいかない。それができるようになったら、話はずいぶん変わるのではないかなと思った。それから、本の場合はぱらぱらとページをめくるのが簡単だ。しおり(ブックマーク)があれば、すぐにその場所にたどりつける。このあたりも、本を読むときはしおりの数に制限はとくにない。ソーシャル・ブックマークはいまのところ使い勝手が向こう側で決められていて、使う人が工夫できるところが少ないのが特徴のように思える。それがほかでは味わえないような作業と、自分の成長の場を与えてくれるというのはわかった。だがその先がないか、これで完成なのかと言ったらそれは違うのではないかな。わたしはソーシャル・ブックマークの将来に、なにか本質的な知的生産の発見や発明がありそうな気がして、ひそかにわくわくしている。毎日の作業のなかで、それが見つかるという可能性に賭けてみようと思う。