合同会社設立230日目、朝

港区は晴れ。朝から気温が上がっている。暑い日になるかもしれない。
土曜日。
グーグル・ニューズでテクノロジの分類に入る記事は、その流れにおおきな波がある。影響の強い人がなにかをすれば、そこに多くの記者が群がる。誰も書かなかったような秘密を露見させて話題を引っぱる記者もいるし、誰にでもわかる10項目の質問にまとめる記者もいるし、産業の歴史のなかで進行中の事件を位置づけて結末を見抜く記者もいる。
周囲をあっと驚かせる合併などがあれば、記者の早撃ち合戦となる。とくに朝早くにその最前線の戦いが行なわれることが多い。こういった場合、時間が経つにしたがって合戦の傾向が変わる。少ない情報からいかに付加価値を与えるかという合戦になる。そこで記者の持ち味が試される。誰かに電話でインタヴューして先を予測したり、最近ではイーメールでの内部文書がいつのまに広まっているということも多い。とにかく、なんでもござれの世界で、しっちゃかめっちゃかというのか、傍から見ていれば空騒ぎにしか見えない、ということが多いのではないか。
ただひとつ、この分野で言えることは、ニューズのなかで「人は死なない」ということだ。
世の中の新聞を眺めてみれば、「人が死んだ」という知らせが入らない日はほとんどない。事故にせよ、病気にせよ、殺人にせよ、災害にせよ、「人が死んだ」という知らせがじつに多い。報道には自ずと量の限界があるから、いちばん深刻な事件が優先的に報道されるのは正しい判断だ。たとえば「人が死にそうだったけれど死ななかった」ということよりは、「人が死んだ」ということのほうが伝えなければならない義務がおおきい。それは避けられないことなのだと思う。
だがこれは読者からすれば、あまり気持の楽しくなる話ではない。明日が今日よりいい日になる、という気持になれるか。明日は今日よりいい日にしよう、という気持になれるか。これはだいじな問いかけではなかろうか。すくなくとも、わたしにはそうだ。
わたしが選んでブックマークしているテクノロジの記事は、すこしでもこれに近づくための作業といえるかもしれない。本人はそう思ってやっている。明日は今日よりいい日にしよう、そういう気持でやっている。それがわたしにとっての燃料になっている。それがいちばん大事。