CNET買収、グループ企業になった。

わたしが長く親しくしてもらっている友達のひとりに、おもしろい男がいる。
彼(仮にMくんとしよう)は神宮前の、とある会社につとめている。Mくんの会社では今朝、だいじな知らせが話題になっているらしい。それは彼のメッセンジャいわく、

CNET買収、グループ企業になった。

ということだ。
そうか、Mくんのところは買ったほうのグループだったのか。
というわけで、すこし勉強してみよう。まず買われた会社の人から。

ZDNetのLarry Dignan記者、この買収はおどろき

Nothing like scanning the headlines and finding out your parent company has been acquired.

注目記事をつらつら読んでいて、自分のところの親会社が買われたのを見つけたときの気分ったらないね。

I don’t have a whole lot to say on the matter except for:
Wow.
Will my CBS Sportsline fantasy football account be comped?

この話題についてはこれといって言うことはないが、これだけ。
-ワオ。
-わたしの見ている「CBSスポーツライン・ファンタジーフットボール」アカウントは無料招待になるのか?

ReadWriteWebのMarshall Kirkpatrick記者、CNETはブログ記者がしっかりそろっているのが魅力

CNet's content producers may not be flashy web 2.0 names but they've got rock stars of their own over there. Larry Dignan is an enterprise dark horse that our readers may or may not know about but who regularly rocks Techmeme more than anyone but TechCrunch. Declan McCullagh may be the best political tech blogger there is. Caroline McCarthy combines scoops, research and professionalism in a way that anyone would do well to learn from. WebWare may not get talked about in some Web 2.0 circles, but it's one of the very biggest blogs in that market and is written by people like Rafe Needleman and Josh Lowensohn - both of whom would be great on TV. I'd embed a CNet video here to demonstrate its production value, but few of the company's video properties allow embedding. So much for web 2.0, eh?

CNETのコンテンツの作り手は輝かしいウェブ2.0の有名人ではないが、社内にロックスターを抱え込んでいる。ラリー・ディグナンはエンタープライズのダークホースだ。ここの読者には馴染みのない名前かもしれないが、来る日も来る日もテックミーメ(Techmeme)をいちばん騒がせている。これに勝てるのはテッククランチ(TechCrunch)くらいしかいない。デクラン・マッカラーは見渡すかぎり彼以上に政治をよく知るテック・ブロガーはいない。キャロライン・マッカーシーの得意分野はスクープとリサーチで、誰でもよくわかるようなプロフェッショナルの仕事をする。ウェブウェア(WebWare)はウェブ2.0界隈ではあまり話題にならないかもしれないが、この分野では間違いなくもっとも大きなブログ(ネットワーク)のひとつだ。書いているのはレイフ・ニードルマンやジョシュ・レーヴェンゾーンーーふたりともTVではよくやっている。できればCNetヴィデオをここに引っぱってきてその商品価値をお知らせしたいものだが、この会社のヴィデオ資産はほとんどが引用を許可していない。ウェブ2.0ってこんなものかい?

NewYorkTimesのAndrew Ross Sorkin記者、相性と値段からみれば妥当だが成長の期待には疑問

Writing on the Bits blog, Saul Hansell said the CBS-CNET deal makes sense in terms of fit and price. But he also wonders about whether two slow-growing Internet businesses can add up to a single, fast-growing one.

Bitsブログにも書いているとおり、ソウル・ハンセルはCBS-CNET提携は相性と値段からみれば妥当だという。だが彼が加えていうのは、ふたつとも低成長なインターネット・ビジネスなので、それがひとつにまとまって、急成長の会社になれるのかという疑問だ。

GigaOmのOm Malik記者、よく計算された、利巧で考え抜かれた決断

This deal could go wrong quite quickly, due to the bureaucratic nature of the San Francisco shop. But still, I like the big, bold bet. Hell, with $405 million in sales and $176 million in profits, CNet seems a whole heck of a lot cheaper than Last.fm, which cost CBS $280 million.
Taken at face value, it might seem like a crazy deal, but in fact it’s a calculated, smart and well thought-out move.

この取引はあっけなくご破算になるかもしれない。というのはサン・フランシスコ店の官僚的な気質のせいで。だがそれでも、わたしはこのでっかい、大胆な賭けが気に入った。なんだって、売り上げにして4億500万ドル、利益にして1億7600万ドルをもっているんだ、CNetはCBSが2億8000万ドルはたいてLast.fmを買ったよりもずっと安く見えるじゃないか。
額面だけ見れば、この取引はどうかしているかもしれない。だが実際はよく計算された、利巧で考え抜かれた決断だ。

まとめのようなもの

  • ZDNetのLarry Dignan記者、この買収はおどろき
  • ReadWriteWebのMarshall Kirkpatrick記者、CNETはブログ記者がしっかりそろっているのが魅力
  • NewYorkTimesのAndrew Ross Sorkin記者、相性と値段からみれば妥当だが成長の期待には疑問
  • GigaOmのOm Malik記者、よく計算された、利巧で考え抜かれた決断

というわけでMくん

この買収はなかなかおもしろいことになりそうです。なにかのヒントになればいいな。
Mくんはもうこの記事読んでいたかもしれないけれど、とりあえず日本語に翻訳されていない(と思われる)記事を探してきました。
Mくんは高校時代からの友達で、いまは歩いて15分くらいの近所に住んでいる。ときどき遊びにこないかと誘ってくれるので、白州次郎のうちに遊びに行くような気持で出かけている。広告とか、買収合併の分野に強い彼には、いろいろ教わった。これからもよろしくお願いします。