合同会社設立269日目、朝

港区は曇天。
水曜日。
この数日間、アンディ・グローヴの著書を読んでいる。「Only the Paranoid Survive」という題名の、彼の生きてきた道のりを客観的に、それでいて自分のことばでしっかりと説明している本だ。この本は何度も読み返す価値があると思って、わたしはボールペンで線を引きながらじっくり読んでいる。志の高く、強靭な思考を読みやすい文章で書いている。むつかしい専門用語はほとんど使われていない。物語として読むことのできる、貴重な時代の証言だと思った。とくに興味をひかれたのは、アップルを追い出されてネクストを創業したスティーヴ・ジョブズの話だ。この本が書かれた時点では、ジョブズはアップルに戻っていない。マイクロソフトの覇権が頂点にさしかかったころの、テクノロジ産業を振り返る視点がここにはある。それがわたしにとって、新鮮なおどろきをもたらしてくれる。この本についてはもっと長い感想を書けそうな気がしている。