最新の申請書からボックスのIPOへの足取りは速まる

クラウド・ストレージおよびコラボレーション企業のボックスは、直近の四半期に時価総額と売上高がほぼ倍増した。だがその赤字幅は拡大した。もっとも、その前の四半期よりは拡大の度合いは緩やかになっている。同社は黒字化は業績見通しの対象期間中に実現の見込みがないものの、ビジネスモデルの確立へ着実な進歩があることを示すべく、有料会員の呼び込みと定着に積極投資してきた成果を明かしている。
このたびの情報公開は、合衆国証券取引委員会へ提出されたS1形式新規株式公開申請書による報告更新の一部となっている。これによると、ボックスの売上高は4月30日を期末とする四半期に94パーセント増収となった。 一方、赤字は前年同期比で13パーセント増加した。これは1株当り2.81ドル相当で、前年同期は3.47ドル相当だった。
これはボックスの今年秋に予定しているニューヨーク証券取引所への上場に必要な手続きの進展である。リコードでは先月、ボックスのIPOは当初の延期から一転し順調な進展となっていることをお伝えした。本日、同社の実情に詳しい複数の人物は先に報道があった(テキサスの投資会社)TPGおよびコアチュー・マネジメントの両社を主幹事として1億5000万ドルの資金調達を実施する事実を認めた。これはボックスが株式公開の順調な滑り出しを図るため、時間稼ぎの効果を狙ったものとみられる。
このたびの申請書から、同社の上場への足取りは今後数週間にかけて速まると推測できる。先月前述の情報源がリコードに明かした話では、ボックスはレイバーデー(勤労感謝の日)までには完了したいとしていたが、今回同社の計画に詳しい複数の人物から聞いた話では9月か10月の実施もありそうである。
このたびの申請書によりボックスは4月30日を期末とする四半期に3850ドルの赤字、4530ドルの売上高を報告している。これに対し昨年同期は3400ドルの最終損失と2340ドルの売上高であった。(続きを読む)