ユーチューブの音楽統括者が退社、定額制音楽サーヴィスに遅れ

ユーチューブで定額制音楽サーヴィス開設を目指してきた小部門の統括者が同社を退社することになった。そこからは、長らく延期されていたプロジェクトのハードルの高さを窺わせる。
クリス・ラローサはユーチューブの音楽担当プロダクト・マネージャだが、このたびグーグルを金曜日で退社し、スタートアップに加入する。
ユーチューブのスポークスマンはラローサの退社の事実を認めたものの、どのスタートアップに加入するかは明かしていていない。ラローサと仕事を共にした同僚たちは彼を非常に才能があると表現する。その一人は、彼の退社は「大きな損失」だと語る。ラローサは、この12か月でユーチューブの音楽サーヴィスを去った二人目となる。もう一人、ニキールチャンドックリンクトインのプロファイルによれば昨年秋に退社している。このプロファイルによると、チャンドックは音楽、定額制料金、ライヴ・ストリーミング担当ディレクターを務めた。 これらの退社はユーチューブが最初のヴァージョンの開発から1年以上経過してなお定額制サーヴィス開設に至らなかったことへの不満が原因だと、ある関係者が語っている。サーヴィスの設計に関して社内で意見不一致があったことが遅れの原因で、どの機能を有料とするか、ユーチューブのほかの部分とどう統合させるかが議論されたという。この音楽アプリには、初期ヴァージョンの経験をもつ人物から聞いた話では、広告非表示、アプリ切り換え後の再生継続、しばらくの間オフライン再生のため楽曲の保存といった機能があったという。
これまでに多くの人々はグーグル・プレイ・オール・アクセスという定額制音楽サーヴィスに料金を支払ってきており、ユーチューブの新しい定額制サーヴィスも同様に利用できるようになる見込みだと、グーグルの計画に詳しい人物は語る。このアプリの開設はグーグルによると数ヵ月以内に実施される見込みだが、遅れにより将来の音楽ライセンス交渉に差し支える可能性がある。少なくとも、2012年末の大手レコードレーベルとの既存のライセンス契約の条項には、ユーチューブによる音楽サーヴィスの順調な運営開始が明記されている、と交渉に詳しい人物が述べた。(続きを読む)
(From the Digits blog post. Thanks to Rolfe Winkler.)