シスコがプライヴェート・クラウド供給企業メタクラウドを買収へ

ネットワーキングの巨人であるシスコ・システムズは、メタクラウドを買収すると告知した。同社は未公開企業で、企業向けにプライヴェートクラウド・コンピューティング・サーヴィスを販売している。
シスコによると、メタクラウドは将来への見通しが同社の掲げる「ネットワーク・オヴ・クラウド」にふさわしく合致するという。同社は3月、10億ドルのイニシアティヴの開設を発表、その名を「インタークラウド」と称した。これによりシスコは、アマゾン・ウェブ・サーヴィシズやIBMのソフトレイヤーといった他社との競合を避けてサードパーティのネットワークを土台にクラウド・サーヴィスを展開する計画である。
メタクラウド買収の財務条件は公表されなかったが、カリフォルニア州パサデナを本拠とする同社は、これまでに3度のラウンドで累計2500万ドルを資金調達している。なお、直近ではぺリオン・ヴェンチャー・パートナーズ、シリコン・ヴァレイ・バンク、UMCキャピタルを主幹事とするシリーズBラウンドで1500万ドルを調達した。これはクランチベースからの情報だ。このほかにAMEクラウドヴェンチャーズ、カナーン・パートナーズ、ストーム・ヴェンチャーズも投資家に挙げられる。
メタクラウドは2種のプロダクトがあり、いずれもオープンソースクラウド・オペレーティング・システム「オープンスタック」をベースにしている。ひとつのプロダクトは、自前のデータ・センタで運用されており、もうひとつは他社ホスティングによるプライヴェートクラウド上でサーヴィス提供されている。
一部の企業では、いわゆるプライヴェートクラウドの支持が厚く、これはAWSやソフトレイヤーといったクラウド・サーヴィスよりも柔軟性に長所があり、なおかつサードパーティの手元に預けるには支障のあるセンシティヴなデータにも制御が効くことが理由である。
これまでに数多くの企業がクラウド・コンピューティング・サーヴィス事業へ進出しており、シスコ、IBMヒューレット・パッカードといった大手にとどまらない。各社が打ち出すのは、プライヴェート運用が可能なインフラストラクチャを基本とし、社外のサーヴィス・プロヴァイダによる容量増強を追加するというハイブリッド方式である。
シスコによる今回の買収に先立ち、先週HPはユーカリプタス・システムズを買収している。同社はクラウド・ソフトウェアを提供しており、これにより企業が多種クラウド・サーヴィスを、プライヴェートとパブリックの両方で併用管理できるほか、アマゾンのクラウドからコンピューティング供給を受けたりデータの出し入れができるようになる。(続きを読む)
(From the Re/code blog post. Thanks to Arik Hesseldahl. )