ラリィ・エリソンのオラクルは、クラウドへと足掛かり

ビジネス・ソフトウェアの巨人であるオラクルは、今夜サン・フランシスコでオープンワールド・コンファレンスを開催、皮切りに創業者で今回CTOとなったラリィ・エリソンのキイノート講演ではじまる。
今回の登壇は、エリソンがCEOの地位をプレジデントのマーク・ハードとサフラ・カッツに禅譲して以来はじめて公の場に現すことになる。2名の新CEOは同社の役職と経営責任を共同で担う。
リコード誌がハードと行ったインタヴューで、彼はエリソンが講演で話す予定の題目を抄訳してみせた。「クラウド」の文言はたびたび出てくるものの、その存在をあまり意識しないようなかたちとなるという。
ラクルは、大企業がビジネス運営に利用するソフトウェアの大部分を販売しているが、同社は主要事業をソフトウェア・アズ・ア・サーヴィス、すなわちSaaSに移行してきた。それにより、顧客は定額制ソフトウェアを購入、つかった分だけ支払うようになる。これはセールスフォース・コムやワークデイが開拓した手法で、両社ともオラクルと競合する。
だが今夜オラクルは新しいクラウドの展開を予告する。プラットフォーム・アズ・ア・サーヴィスである。オラクル・データベースは、同社のソフトウェアを土台で支えているが、今後はクラウド・サーヴィスとして提供される。Javaもやはり、この道筋をたどる。プログラミング言語であるジャヴァは2010年サン・マイクロシステムズ買収により同社保有となった。
クラウドの3要素、つまりソフトウェア、プラットフォーム、インフラストラクチャを見ると、オラクルは最初の2つで大きく差別化を実現していることがわかります」とハードは言う。オラクルの顧客の多くは、と彼は言う。自社利用の特定作業用アプリケーション構築に30パーセントの時間を費やしています。「さらには、サーバとストレージの購入が不可欠で、そこでようやく利用開始となるのです」と彼は述べる。
顧客の多くがアマゾン・ウェブ・サーヴィシズやクラウド・インフラストラクチャへと乗り換えている。「そうなると、不馴れな言語やデータベース・システムに取り組む必要が生じ、どういったシステムをつくるにせよ、まるごと乗り換えの作業が欠かせません」と彼は言う。ジャヴァとオラクル・データベースはプログラマにとってお馴染みのものだ。
このたびの発表はアマゾン・ウェブ・サーヴィシズへの対抗とみられているが、実際に競合関係にあるのはマイクロソフトのアズールだとハードは指摘する。「アプリ開発するとき、使うのは.NETですか、ジャヴァですか?そして、SQLを使いますか、オラクル・データベースを使いますか?」(続きを読む)
(From the Re/code blog post. Thanks to Arik Hesseldahl. )