ドロップボックスが社内のCFOに代えて元モトローラ幹部ヴァネッサ・ウィットマンを起用

ドロップボックスは今回の人事で、ストレージ企業である同社の投資家たちがIPOへの計画を心配するような異動を実施した。スージャイ・ジャスワに代えて元モトローラ幹部のヴァネッサ・ウィットマンをCFOとした。
サン・フランシスコを本拠とする同社は、リコード誌の問い合わせに対し異動の事実を公式に認めた。同社は財務担当幹部に上場企業での経験を持つベテランを起用するという意味でCOOデニス・ウッドサイドと同様にCFOを異動させた。ウィットマンは以前グーグル傘下の同社でともに働いた経験がある。ジャスワは2010年よりドロップボックスに勤務し、共同創業者兼CEOドリュー・ヒューストンの下、重役を歴任し、CFOの役職に就いたのは1年前だ。だがこれは、社外の候補者を多数当たった末の人事だった。
以前ニュー・エンタープライズ・アソシエーツでヴェンチャー・キャピタリストを務めた彼は今後、投資家としての仕事に復帰するが、同社の非常勤の顧問に留まる予定。ドロップボックスでは国際展開を指揮し、大型提携や巨額の資金調達を取りまとめた。その結果同社の評価額は100億ドルに達した。
複数の情報源から取材した話では、同社は追加資金調達によりインフラストラクチャを強化し、評価額は110億ドルを超える見通しだという。
ウィットマンはこれまで、上場企業での経験が豊富で、マーシュ&マクレナンでCFOを務め、マイクロソフトで事業提携担当幹部を務めた。モルガン・スタンレーでの金融業務の経験、ペイオットでのヴェンチャー・キャピタリストの経験もある。さらに360ネットワークスとメトリコムでCFOを務めた。
あるいは一番意味深いのはケーブルテレビ大手アデルフィアでCFOを務めた事実かもしれない。彼女が就任した当時、経営破綻の混乱のなかで手に負いかねるほどの会計書類を清算してみせた例がある。
ウィットマンが同社の財務責任者に就くのは3月で、そうなればドロップボックスがいつ株式公開を実施するのかという疑問に直面することになる。
大方の見解では、2016年まで株式公開はないとされている。これは同社が利益を生み出すにはほど遠いためだが、売上高は2億ドルにものぼると推定される。
「数ある企業のなかでも、わたしたちが毎日の仕事のなかで必ず使うようなテクノロジを生み出せるのはごく一部にすぎません」とウィットマンはリコード誌の取材に回答して述べた。「それこそ、わたしがドロップボックスに惹かれた理由です」 続きを読む
(From the Re/code blog post. Thanks to Kara Swisher.)