ペイパルがモバイル決済のペイディアントを買収

ペイパルは、モバイル決済スタートアップのペイディアントを買収したと発表した。取引の財務条件は公表されていないが、リコード誌の推計によると、2億8千万ドル程度だという。ペイパルは問い合わせに対し金額を明確にしなかった。
2010年に創業したペイディアントは、同社決済システムをもとに商業ブランド各社が独自アプリを制作するのを支援している。サブウェイ、オレンジリーフ、FISグローバル、ヴァンティフ、CUウォラー、ハリスティーター、バークリーカード、キャピタル・ワン、パルスの9社がこれまでに顧客となってペイディアントのサーヴィスを受けている。
ペイディアントはたんにモバイル決済アプリの土台だけでなく、各社の優待価格やロイヤルティ・システム戦略の構築も請け負う。
さらに、MCXにモバイル・ウォレットのシステム提供を行っており、同社の顧客である世界的大手小売業者としてウォルマート、ターゲット、シアーズウェンディーズエクソン、CVSなどが会員となっている。
ペイパルはペイディアントについて、「モバイル決済のこれからを果敢に開拓する優れた企業」と評している。
ペイパルでグローバル・イニシアティヴ担当シニア・ディレクターを務めるアヌイ・ナヤールは、同社はペイディアントの得意分野であるストア・ブランドのクレジットカード、ロイヤルティ・カード、優待セールといった仕掛けを採用し始めていると説明している。端的にいえば、ペイパルは加盟店への売り込みを強化しようと試みている。
ペイディアントのプラットフォームを生かして、ペイパルはモバイル決済だけにとどまらず、加盟店パートナーに独自ブランドのウォレット・システムを提供できるようになる。ペイディアントのテクノロジ強化型アプローチによって、モバイル決済テクノロジはQRコード、NFCといった「加盟店にもっともふさわしい形態」を選ぶことが可能になる。
ナヤールによると、ペイディアントのテクノロジのほか、モバイル開発チームが同社に併合されるという。共同創業者であるケヴィン・ララシィやクリス・ガードナーは同様にペイパルに加入する。ただし、彼らが同社にいつまで残留するかは明確ではない。
さらに、ペイディアントは同社モバイル・ウォレット・テクノロジのスケール拡大を行うことができるほか、「ペイパルとペイディアントの組み合わせでしか生み出せない独自な利便性を加盟店に提供できるようになります」という。
ペイパルは踏み込んで例を挙げている。たとえば、世界各地でのリスク・マネジメント、24時間体制のサポート、ロイヤルティ・ポイント・システム、独自ブランドのクレジットカード、モバイル・オペレーティング・システム全種に対応したオープン決済プラットフォーム、世界各地での200を超えるマーケットに抱える1億6400万人のデジタル・ウォレットへの普及、これらが強みだという。続きを読む
(From the VentureBeat blog post. Thanks to Emil Protalinski.)