スナップディールがルピーパワーを買収しローン商品をプラットフォームに追加へ

インドのスナップディールはこの数ヶ月にわたって立て続けに買収を進めてきた。ソフトバンク関連企業から資金調達した11億ドルをつかって、これまでのような物品売買のマーケットプレースから脱却し、オンライン取引にまつわるあらゆる種類のプラットフォームを確立することを目指す。この戦略の最新鋭は、同社がこのたび筆頭株主に躍り出たルピーパワー社への大型出資である。ルピーパワーはローンとクレジットカードの運営企業だ。
取引の詳細条件は公表されていない(弊紙は同社に問い合わせ中である)が、経営権を握るに足る出資だという。
スナップディールによると、買収をてこにしてフィナンシャル・サーヴィス・マーケットプレースを近く開設するとともに、このプラットフォームを通じて今後2年間かけて総額10億ドル相当のローンを貸し出す見通しだという。スナップディールがどのようにこのローンで融資を実施する計画かはまだ明確化されていない(問い合わせ中である)が、どうやら金融機関との協働により同社自らローンの融資を行なうとともに、銀行の小額貸出の普及に協力するという2本柱のようだ。
「フィナンシャル・サーヴィス各社はこれによって、スナップディールの抱える5000以上の自治体からなる全国的な顧客層に踏み込むことができるようになります。さらに、同社のプロダクトやサーヴィスはスナップディールのオーディエンスを対象に重点営業ができるようになります。従来のオンライン以外の顧客にも、効率的な営業が可能となります。フィナンシャル・サーヴィス各社にとっての大きな利点は、スナップディールでプロダクトやサーヴィスを重点営業することによって従来の顧客層にも返ってくるという仕組みです」
ルピーパワーはインドの「キャベジ」のようなものと考えるといい。オンライン・ツールとアルゴリズムを背後に抱えるルピーパワーは5分以内という短時間で審査が下りるローンをユーザに提供できる。キャベジとの違いは、ローンは小規模事業者というよりコンシューマを主体とし個人ローンをカバーしていること、また自動車や住宅といった高額ローンにも対応することである。
これはスナップディールにとって、自動車、居住用不動産が比較的最近着手されたカテゴリだという事情にうまく合致する。つまり、あなたはこれから自動車を買うのと、その費用を借りるのが1箇所でできるということだ。スナップディールはまた、現行プロダクトを活用して(銀行との連携によるクレジットカード・サーヴィスなど)フィナンシャル・サーヴィス全般の新規事業開拓を進めていくと表明している。インド国内では金融機関が各地に分散し統一化が進んでいない。
販売した商品の長期保証もそのひとつである。これは、スナップディールが本業のプラットフォームで販売しているプロダクトに対する付加サーヴィスとなる。
「コンシューマが金融商品およびサーヴィスの利用を決断するときに直面する多様な問題点に対処するとともに、金融機関が「割りに合う」顧客層にリーチするときに直面する難題に対処するため、弊社はルピーパワーの潜在能力をスナップディールのファミリーに迎え入れます。これによって、フィナンシャル・サーヴィス業界の抱える新規顧客への経路という問題を解決することにもつながるわけです。これは業界の閉鎖性を解き放つことにもなります」とスナップディール共同創業者兼CEOであるクナル・バールは声明文で述べた。続きを読む
(From the TechCrunch blog post. Thanks to Ingrid Lunden.)