アップアニーがiDCのトップ・アナリストを起用し大手顧客企業向けカスタム・リサーチ・チーム編成へ

モバイル・アナリティクス企業のアップアニーは社内の研究調査チームの補強を実施し、大手顧客企業への対応を推進することになった。また、社内のリーダーシップ強化も併せて実施し、IDCでモバイル統括者を務めたダニエリー・レヴィタスを起用した。
今回の人事の目標のひとつは、大手顧客企業向けカスタム・リサーチおよび提言だ。
興味深いのは最近アップアニーは立て続けに上級幹部を起用していることで、先日はグーグル、ネットフリックス、NASAを歴任したポール・ストローツをチーフ・データ・サイエンティストに任命した。どうやら同社は今年か来年にかけての株式流動化を狙ったとみられる動きが続いている。
ダニエリー・レヴィタスの役職はリサーチおよびアナリシス担当シニア・ヴァイス・プレジデントとなる。彼女にとって大きなメリットはアップアニーのもつ膨大なモバイル関連データだ。同社のアナリシスは70万を超えるアプリから集計した、他社には並ぶものがない規模の蓄積がある。
「アップアニーのもつアプリ関連データの威力はとてつもなく、これは確かにわたしが同社に加入することを決断した理由のひとつです」とレヴィタスはヴェンチャービートの取材にイーメールで回答した。「わたしの心中には、いつか違った種類のアナリシスに携わり、マーケットにそれを差し出すという目標があり、いわば使命感のようなものがあったのです。店舗での行動履歴、収益化モデル、利用機器タイプなどのデータを相互関連して分析できることはわたしにとって、願ってもない機会なのです」
アップアニーはこれまでに830億回のダウンロード、250億ドルのアプリ料金収入を集計してきたと公表しており、たしかにその蓄積は深遠である。
同社のアナリシスを陣頭指揮し、大手顧客企業のカスタム・リサーチに携わるほか、レヴィタスはアップアニーのプロダクトチームが今後のイノヴェーションを推進するための役目を負う。また、アップアニーが他社調査機関との連携を図るための交渉も行なう。言い換えれば、アップアニーは調査機関にとって代わろうというのではなく、多忙で大量のデータに圧倒される顧客のために貢献したいのだ。
「企業秘密データの分析ツールを通じてモバイル・アプリの利用状況を見ることができますが、顧客企業にはそれぞれ、固有の特殊事情があり、なにしろ時間がないのです」とレヴィタスは言う。「そこでわたしたちは、はっきりとした指針を示すことで、カスタム・アナリシス・サーヴィスの利用を促進するとともに、アナリシスを通じたデータの活用法を顧客に示せるためのチーム強化を行なうことが求められます。また、『ではどうすればいいのか』という疑問に対し顧客の将来への期待を後押しできるような、また賢明な意思決定が行なえるような仕組みを提供していくことが大事です」
そして、幹部人事が大事になっていくのだろうか?
同社CEOバートランド・シュミットによれば、IPOを急ぐつもりはないという。「弊社は上場するという計画を行なっておりません」とシュミットはイーメールで回答した。「急いで上場しないこと、見通しのできる期間にわたって独立を保つことはわが社が望むかたちです。ただし、従業員にとって、またモバイル・コミュニティにとってわが社が最良の企業でありつづけるために必要な経路はつねに開いておくつもりです」続きを読む
(From the VentureBeat blog post. Thanks to John Koetsier.)