グーグル・キャピタルがゼンペイロールのシリーズB6千万ドル資金調達ラウンドで主幹事に

クラウド・ベースの請求書作成企業であるゼンペイロールはグーグル・キャピタルを主幹事とするシリーズBラウンドで6千万ドルの資金調達を完了した。また、エマージェンス・キャピタル・パートナーズとリビット・キャピタルが同ラウンドに参画し、既存の投資家であるジェネラル・カタリスト、クライナー・パーキンズ・コーフィールド・アンド・バイヤーズ、グーグル・ヴェンチャーズの後ろに名を連ねた。今回の資金調達によって同社は総額8610万ドルを調達、なお調達前評価額は5億6千万ドルだった。
ゼンペイロールは主にスモール・ビジネス向けマーケットを強みとし、請求書作成や入金管理を手作業で行なっている事業者の利便性向上を狙っている。同社製品はカンタン利用、クラウド・ベースのインタフェースで、業界で先行しているペイチェック、ADPを追い上げてきた。
ペイチェックやADPがこの数年にわたってクラウドへの上位互換を進め、既存顧客層の請求書オンライン移行およびモバイル・プラットフォームの確立を達成してきたのに対し、ゼンペイロールの急速な普及はペイチェックやADPが強みとしてきた比較的大規模な企業にも浸透しはじめている。
「弊社はゼンペイロールが大企業にも十分利用していただけるような効率化機能をお届けしております。これは弊社がかねてより掲げる、『あらゆる規模のあらゆる企業に役立つ』という大目標への着実な一歩です」とCEO兼共同創業者ヨシュア・リーヴズは述べている。
ゼンペイロールの前には広大な開拓分野が開けてきた。これは290億ドル規模の業界で、合衆国内で請求書作成ソフトウェアを利用しているのは現在6百万社と言われ、ADPとペイチェックは合わせて国内百万社ほどの顧客層をもつ。残りの5百万社こそが、同社の狙っている市場である。老舗といわれる請求書作成サーヴィスから顧客をかすめ取っていくのが目標だ。
これが、グーグル・キャピタルのパートナーであるレイラ・スターディが同社への投資を強く要望した理由のひとつである。
「ゼンペイロールの成長はめざましく、国内各地に多数存在するスモール・ビジネスにさらなる普及を進めるため、弊社も貢献できることを大いに期待しております」と彼女は述べる。
リーヴズは今回の資金調達ラウンドについて、同社が「ガス・ペダルを踏み込む」ための戦略と表現する。リーヴズによると、ゼンペイロールは1年前に行なった2千万ドルの資金調達のうち、1700万ドルが銀行に預金されているという。彼の計画では、今年中に60人の社員を300人まで増員するためのこのキャッシュの一部を使う見通しだ。ゼンペイロールはエンジニアリング、プロダクト・デザイン、カスタマー・ケア、セールス、マーケティング、事業開発にわたって雇用を進めていく予定。
同社にとってもうひとつ重要な課題は、カスタマー・サーヴィスである。現在同社は東海岸オフィスを開設し、米国東部標準時間の地域でカスタマー・サーヴィスを的確に提供できるよう準備中だ。同社の計画では米国内でワイオミング、デラウェア、ヴァーモントをのぞく50州でのサーヴィスを数週内にも実現するという。
ゼンペイロールは事業拡大の一環として、スモール・ビジネスへの重点化を今後も継続する計画だ。同社は先日、グーグルのブレット・ウィリアムズをCMOに起用した。
「カギとなるのはコスト効率のよい、スケール拡大が可能な成長です」とリーヴズは述べる。「わたしはつねに、資金調達は目的ではなく手段だと強調してきました」続きを読む
(From the TechCrunch blog post. Thanks to Sarah Buhr.)