インド国内でアマゾンの最大の強敵であるフリップカートがグーグル幹部を引き抜き

フリップカートをシリコン・ヴァレイの有能社員引き抜き合戦のリストに。インドではもっとも人気の高いオンライン・ショッピング・マーケットプレースであるフリップカートは、インド国外では投資家から総額20億ドル以上を資金調達していることで有名である。同社はグーグル幹部のペーイッシュ・ランジャンをエンジニアリング統括者に起用した。
ランジャンはグーグルのアンドロイド・ワン・プロジェクトにおいて、エンジニアリング・グループを指揮してきた。アンドロイド・ワンは新興国市場で低価格携帯電話の開発を支援するイニシアティヴで、フリップカートの本拠地であるインド国内で始まった。このプロジェクトの目標は、インド国内で100ドル前後で販売されている機種と比べ、ソフトウェア、デザイン、機能の各面で優る携帯電話を制作することにある。
ランジャンはこれまで、モトローラのヴァリュー・デヴァイセズ・グループでエンジニアリング統括者を務めてきた。同社がグーグル傘下にあった時期、彼はグーグル・インド支社のR&Dチームを率いた。
彼の起用に先立って、フリップカートはグーグル幹部だったプニット・ソーニをチーフ・プロダクト・オフィサーに起用している。
ランジャンの起用にあたってフリップカートは、インドが目下イーコマースで世界一の急成長市場になりつつある現状を認識している。また、中国や合衆国の市場においては全体の底上げが徐々にきびしくなっているが、インドでは携帯電話の急速な普及とともに、アマゾンをはじめとする大型投資家の投入する数十億ドルがショッピング・サイトを支えている。インドはフリップカートのほかにスナップディールが有力で、同社はイーベイ、ソフトバンクなどから10億ドルを超える資金調達を実施している。
ランジャンの選任の理由としては、フリップカートは2つの資質を重視していた。インド国内のチームを統括するのに十分な実績とモバイル機器への深い理解である。というのも、フリップカートで行なわれる取引の70パーセント近くがモバイル機器によるもので、今後は80パーセントを越える見通しだとソーニは述べている。
「今後解決すべき課題は、かなり込み入ったものとなります」とソーニは語る。「フリップカートの急成長によって、インフラストラクチャの整備と会社の拡張は切迫した必要条件となります。弊社では現在、待ったなしの改造の最中なのです」
それに加えて、ランジャンの経歴には、フリップカートのエンジニアリング部門の社員を統率しうるだけの信頼度があり、社内の改革への期待もある。ソーニによれば、同部門は合衆国外では有数の精鋭部隊であるという。フリップカートは今後ショッピング・サイトの大量取引データを把握し決断が下せるリーダーを起用していく予定だという。この計画では、これまでアマゾンが強みとしてきた関連商品のオススメ情報提供などに利用するほか、顧客の閲覧購入履歴からパーソナライズしたショッピング・ページの提供まで見込んでいる。続きを読む
(From the Re/code blog post. Thanks to Jason Del Rey.)