リフトが元アマゾン幹部をチーフ・オペレーティング・オフィサーに起用

アマゾンはこれまで長い間、顧客のもとへ荷物を人力で可能な限り迅速に配達することに注力してきた。そのためであろう、リフトがオンライン小売業の巨人である同社から人材を起用したがるわけだ。
木曜日、ライド・ヘイリング・スタートアップであるリフトはアマゾン幹部出身のレックス・ティベンズをチーフ・オペレーティング・オフィサーに任命した。ティベンズ氏はアマゾンで北アメリカ地区ロジスティクス担当ヴァイス・プレジデントを務めたほか、直近ではプライム・ナウ・プログラムのインフラストラクチャ構築を担当した。このプログラムは合衆国内の一部都市を対象に、1時間配達サーヴィスを行なうものだ。
彼は以前、コンピュータ・メーカーのデルで幹部を務めたほか、トヨタロジスティクスおよび在庫管理に当たった経歴をもつ。
リフトでは、ティベンズ氏の職務の概要はこれまでの職場におけるチーフ・オペレーティング・オフィサーのそれと同様となり、そこにスタートアップである同社のスケール拡張の作業を加えたものとなる。だがリフトのサーヴィスを差別化するうえで、同社はライド・シェアリングの競争がきびしい市場において他社を引き離す強みを打ち出すことも彼に期待されるようだ。
「わたしにとって、リフトは主に2つのエクスペリエンスを提供するものです。ひとつは乗客としてのエクスペリエンス。もうひとつはドライヴァーとしてのエクスペリエンスです」とティベンズ氏はインタヴューに答えて語った。「弊社がその両方においてどういったエクスペリエンスを打ち出すか。それこそ他社との差別化の中身といえます」
リフトはこれまでユーバに対抗するため、より親切なサーヴィスを打ち出してきた。ユーバは数あるライド・ヘイリング・スタートアップの主導的地位にある。3月、リフトは乗客とドライヴァーとのやりとりを促進するため、ユーザ・プロファイルのページを開設した。併せて、これまで長らく続けてきた、ピンクの口ひげを自動車の先頭に掲げ、リフトのクルマが到着したことを乗客にわかりやすく知らせる特徴的なサーヴィスと入れ替えた。
ティベンズ氏は同社が打ち出してきた、これまでの差別化手法を引き合いに出したうえで、アマゾンの「メイデイ」プロダクトの話をした。これはキンドル・ファイア・タブレットのオーナーはアマゾン・カスタマー・サポートの受付担当者とビデオでチャットできるものだ。
今回の人事の7か月前、当時リフトのチーフ・オペレーティング・オフィサーを務めていたトラヴィス・ヴァンダーザンデンは唐突に同社を退社して波紋を呼んだ。リフトは競合他社に移籍したヴァンダーザンデン氏に対し、同社の企業秘密を不当に漏洩したとして法的手段を模索してきた。ヴァンダーザンデン氏はリフトを退社して2か月でユーバに加入したためである。続きを読む
(From the NYTimes.com blog post. Thanks to Mike Isaac.)