ボックスがインタラクティヴ3D描画スタートアップのヴァーロルドを買収

ボックスは本日、ヴァーロルドを買収したと発表した。同社はクラウド・ベースの3Dモデルの閲覧と編集ツールを制作するスタートアップで、モバイル機器およびウェブから操作できる。
ヴァーロルドのチームはボックスに加入する予定で、ボックスのエンタープライズ・コンテント・コラボレーション・プラットフォームに直接3D化表示機能を統合する。
2010年に創業されたヴァーロルドは、3D描画のできるオンライン画像エディターを開発し、ウェブ上で3Dコンテントをプレゼンテーション文書に組み込んで共同作業ができるようにした。
トロントを本拠とするスタートアップである同社は3Dコンピュータ・グラフィクスと2Dグラフィクスをブラウザ上で描画するためにJavaScript(ジャヴァスクリプト)APIの一種「ウェブGL」を採用している。これによって、プラグインのインストールが不要となる。
ヴァーロルドのコンテント作成および編集ツールは、情報処理を日々行なうワーカーに共同作業プロジェクトで必要とされるアプリケーションを多数備えている。プレス・リリースには次のように紹介されている。

  • エンジニアは、3Dプロダクト・デザインを世界各地の工場流通チェーンに向け共有することで、新型プロダクトのマーケティングにかかる準備期間を短縮することができます
  • 教育従事者は、工学専攻の学生を対象に、従来型の描画および図形表示ツールへの応用機能としてこれまでにない規模の共同作業環境を提供することができます
  • マーケターは、コンシューマ向けプロダクトのデモンストレーションを双方向型の共同作業環境で提供し、これまでの2D形式では考えられなかったような商品特徴や活用例をわかりやすく伝えることが可能になります

たとえば、ヴァーロルドを使ってNASAの2014年12月打ち上げの「オリオン」号テスト飛行用モジュールを開発したこともある。
買収を発表する文書で、ボックス共同創業者兼首席経営執行役員アーロン・レヴィはヴァーロルドの買収によって、同社は業種を超えて利用されているツールにオンライン情報共有手段を拡充し、企業における業務のデジタル化を一層深化させることができると述べた。
たとえば、建設業者が提携先と複数のプロジェクトを並行して共同作業しなければならないという状況や、作業現場で設計図の複雑な詳細を確認したいという状況。あるいは、アスリート用ウェア小売業で最新のプロダクト・デザインを全国各地に散在する営業部で共有したい状況などが想定される。
これらのワークフローがウェブ・ブラウザから操作でき、別途ソフトウェアのダウンロードも不要であれば、各種業界で革新的な変化が起こる可能性がある。つまり、ボックスは4万5千社というエンタープライズ顧客層に「重大機密情報」の共有、注釈付け、共同作業ができる新しい方法を提供しようとしているわけだ。これはとくに高望みというものではない。ヴァーロルドはすでにアマゾン、ピアソン・エデュケーション、ミクサーモ、オートデスクといったエンタープライズ・パートナー企業を抱えている。続きを読む
(From the VentureBeat blog post. Thanks to Emil Protalinski.)