インテルのウェブTVを率いたエリック・ハガーズがヴィーヴォのCEOに

エリック・ハガーズはインテルがウェブTV事業に参入するための部門を率いてきたが、その後同社はこの部門を放擲した。彼は新たな役職を引き受けた。だが、それはたやすい仕事ではないようだ。
ハガーズが就任したのはヴィーヴォのCEO兼プレジデントで、同社はユニヴァーサル・ミュージック・グループとソニー・ミュージックが合弁で設立したミュージック・ビデオ企業である。このサーヴィスは現在月間110億本の視聴数を生み出しており、ウェブ上で有数の集客力をもつ。だが同社の周囲には競合がひしめいており、グーグル傘下のユーチューブがトラフィック過半数を生み出しているという不安定な立場にある。
ヴィーヴォはこれまで、ユニヴァーサル・ミュージック幹部を務めたリオ・カーレフが運営にあたってきた。2009年にこのサーヴィスを開設したカーレフは昨年秋に同社を退社した。
「イノヴェーションの加速によってオーディエンスを驚きで喜ばせ、つぎつぎと新プロダクトやプレミアム・コンテントをお届けしていけるものと確信しております」とハガーズは声明文で述べている。
合衆国内でハガーズはインテルの「オーバーザトップ」TV定期契約サーヴィスを率いてきた男として知られ、2013年に発表にこぎつけたものの、現実には開設されることがなかった。インテルはそれに代えてアイディアを練り直しを決断、ハガーズによる「オンキュー」サーヴィスをヴェライゾンに売却した。ハガーズは通信企業である同社を1年前に退社した。
ヴィーヴォでは、ハガーズの前には試練が待ち受けており、ミュージック・レーベル運営企業との関係から着手し、ヴィーヴォの事業の将来に懐疑的な彼らを納得させる仕事がある。ヴィーヴォは主に広告からの収益に依存しており、まだ黒字化を達成していない。また、レーベル各社が売上を生むための後押しはしているものの、レーベルはそれを無為に投げ出してしまった。昨年バンカーを雇った彼らはドリームワークス・アニメーションからのオファーを前にしてその足取りを揺らがせてしまった。
そして今年、ヴィーヴォは大手ミュージック・レーベルとの摩擦に巻き込まれているようだ。レーベル各社は無料のストリーミング・ミュージックに待ったをかけようとしている。また、ユーチューブはヴィーヴォをはじめとするミュージック企業が制作したビデオからトラフィックの多くを得ており、これも摩擦の原因となっている。ユーチューブは有料の定期契約サーヴィスに着手し、その目的の一部はレーベルとの関係修復とみられるが、やはりユーチューブは世界最大の無料ストリーミング・ミュージック・サーヴィスとの印象が根強い。
レーベル各社はすでに(無料ミュージック・ストリーミング・サーヴィス)スポティファイとの関係構築に入っている。今年中にはレーベル各社がグーグルおよびユーチューブとのあいだでライセンス提供契約更新時期となり、そこで同様のつば競り合いがありそうだ。
ブルームバーグがハガーズの任命については昨晩、報道していた。続きを読む
(From the Re/code blog post. Thanks to Peter Kafka.)