アップアニーがモビディアを買収しアプリ・ダウンロードとアプリ利用詳細分析が60か国から集計可能に

アップアニーは長い間、アプリ・ダウンロード分析プロダクトの先駆者として業界を引っ張ってきた。本日同社は買収を発表し、同社によるダウンロードおよび売上高分析データを、相手先企業によるアプリの利用状況データとまとめて利用できるようになった。
アップアニーが今回買収したのはバンクーバーを本拠とするアプリ利用状況調査企業モビディアだ。取引はキャッシュと株式による決済だが、金額は公表されていない。この買収によってバケモノ級といえるデータが集まることになる。
「世界最良のテクノロジのうち2つが合併したことになります」と同社CEOバートランド・シュミットは今週、筆者の取材に応じて語った。「わが社の専門であるアナリティクスは、この分野においては肩を並べる者がないと自覚しております。これはかなりの強力なポジションです」
アップアニーの既存プロダクトは、ダウンロード数、売上高、モバイル・ユーザ数といった統計を各種アプリ・ストアのプラットフォームを横断して60万を超えるアプリ制作者の承認を得たうえで集計している。モビディアは一方で、ダウンロード数が多いアプリでじっさいにモバイル機器でどういった利用がなされているかを集計し、その対象アプリ数は20万を超える。
こういった利用状況データは主に、ユーザ数、アプリ内滞在時間、セッション数、再利用率、データ通信量、アプリの普及度などである。モビディアは同社が世界各地から集めたユーザ層の厚みが最大級であると自負している。これはマイ・データ・マネージャなどのアプリが集めたバックグラウンド稼動中のアプリの内訳、ネットワーク利用状況、データ消費量を活用できるためである。
アップアニーは今年シリーズDラウンドにより55百万ドルを資金調達しており、今回の買収はこの勢いを利用したことになる。
「わたしたちはずいぶん前から、合衆国にとどまらず世界中のスケールでやっていくアイディアを温めていました」とシュミットは言う。「ある時点でわたしたちはこう考えたのです。『もっと勢いを増してもいいんじゃないか?』 資金調達ができたおかげで、買収ができました。そして、非常に大事なテクノロジが得られました」
その結果、モバイル・アプリ制作者は主要な競合他社のダウンロード、売上高、利用状況、再利用率といったきわめて詳細にわたる精度の高い実績が把握できるようになった。そうすることで自社がどの程度成功しているか、他者にない強みをどう生み出すかを客観的に知るだけでなく、買収協議があった場合にも役立つ。
アップアニーは先日、「オーディエンス・インテリジェンス」という機能を新設し、モバイル・アプリのユーザの属性情報がわかるようになった。これによって、同社がこれまでに提供してきた各種情報に利用行動データを付け加えることができる。
このほかに買収によって生じる利益は?
ますます多くの国が関わりあう業界において、アップアニーは世界60か国からの情報をもとにモバイル・データ・プロダクトを提供できるようになる。
モビディアは設立10年の会社で、従業員は30名だ。だがモバイル・データを販売するようになったのは3年前からで、路線変更がある時点で行なわれたことが推測される。同社は今後もバンクーバーを勤務地とし、アップアニーのバンクーバー支社となる。続きを読む
(From the VentureBeat blog post. Thanks to John Koetsier.)