スクエアが競合するプロダクトを制作してきたアマゾン幹部を起用

数か月前、メアリ・ケイ・バウマンはアマゾンで新プロダクトの制作を率いていた。スクエアの中核である決済事業に対抗するためである。ところが、いまバウマンは向こう側にいる。彼女は先日スクエアの事業統括者を引き受けた。彼女自身のリンクトイン経歴欄が更新されたことで判明した。
スクエアでバウマンは同社の決済パートナーシップおよびオペレーション統括者に就任する。スクエアのスポークスウーマンが事実を公式に認めた。彼女は今後、スクエアが世界各地でのパートナーシップを推進し、新しい決済プロダクトを加盟店に提供していくために働く。
「メアリ・ケイは20年以上にわたり決済ストラテジに携わって、オンラインとオフラインの両方でコマース・イニシアティヴの経験があります。これをスクエアで大いに発揮してくれるものと期待します」とスクエアのスポークスウーマンは述べている。「彼女がわたしたちの味方になってくれたことを歓迎しています」
バウマンはアマゾンに11年勤務し、決済担当幹部としては最長の任期を誇った。彼女は先日までアマゾン・ローカル・レジスタの運営を担当し、そこで昨年夏に新しいプロダクトを開設したほか、クレジット・カード・リーダーや勘定ソフトウェア・アプリを制作し、スクエアの対抗馬となった。アマゾンで彼女は決済に強みをもつ幹部として名が通っており、有能な交渉者でもあった、と事情を知る人物が述べている。
彼女のアマゾン退社は、近来続いていたアマゾンのローカル・コマース・ユニットにおける上級幹部の退任の流れを引くものとみられ、ローカル・レジスタ・プロダクトの実務を引き受ける同ユニットではモバイル・ウォレット・アプリがベータ版試験運用の後打ち切りとなるなか、2月にはバウマンの上司だったマット・スワンがシティグループへ移籍となった。同ユニットのエンジニアリング・ディレクタは先日オンライン決済企業「ヤップストーン」のCTOとなったほか、プロダクト担当幹部のエリック・ハーバーも同社を退社していた。チャーリー・キンデルは前職のマイクロソフト幹部からアマゾンに移籍しアマゾン・ウォレット・プロダクトを統括してきたが、現在はアマゾン社内で決済グループから外され、エコー・スピーカー端末を統括するディレクタになっている。
こうして立て続けに生じた退任は、アマゾンがローカル・レジスタ・プロダクトへ重点化する意図がどの程度あるのかと懸念を抱かせる。アマゾンのスポークスマンは(バウマンの退社も含め)本件にかんするコメント要請に応じていない。続きを読む
(From the Re/code blog post. Thanks to Jason Del Rey.)