サウンドクラウドはブラジルの現地言語に英語圏外初の対応;フェースブック幹部を音楽収益化統括者に起用

サウンドクラウドは、オーディオ・ストリーミング・サーヴィスを英語圏外の人にも使いやすく手を加え、同社のブラジル国内プラットフォームでのポルトガル語対応を開始した。
同社はこれと併せて、経営幹部の起用を発表した。同社のベルリン事務所でソニア・フリンはインターナショナル担当ヴァイス・プレジデントとなる。彼女はフェースブックアイルランド支社でマネジング・ディレクターを務めてきたが移籍となる。
これまでに1億2千万ドルの資金調達を実施し、36か国で合計1億75百万人の月間ユニーク・リスナー数を抱えるサウンドクラウドは、2007年にスウェーデンで開設されて以来着実なオーディエンス増加を達成してきた。そのため、これまで同社サーヴィスが英語だけですべてのサーヴィスを提供してきた事実を知った人は驚くかもしれない。
iOSアプリは数週前にひっそりと言語設定の更新が行なわれたが、ウェブサイト内の翻訳機能も利用できるようになっており、インタフェース、コンテント、デザインに適用できる。
「弊社はこれまでグローバル・プラットフォームの標準言語として英語を選択してきました。英語はインターネットでは共通言語であり、このおかげで弊社は世界各地で毎月1億75百万のユーザの皆さんがコミュニティを形成する場を作ることができました」とサウンドクラウドは声明文で述べている。「しかし、10億人の英語を基本的には理解できる方がいるとはいえ、それ以外の60億人のみなさんにとっては障壁となりえます。サウンドクラウドでは、ローカル・コミュニティを形成することを推奨していますが、グローバルのコミュニティ形成も期待しております。そのため、この言語の障壁を取り払う取り組みを始めました」
今回の取り組みはサウンドクラウドにとってひとつの転機として注目に値するが、それに劣らず注目すべきはブラジルという2億人の人口を擁する地域で独自プラットフォームを開設することである。これはサウンドクラウドにとって収益化を図る意思表示でもある。昨年8月にはベルリンを本拠とする同社は「オン・サウンドクラウド」を開設した。これは合衆国内のユーザを対象にオーディオ・トラックに広告を付加するプラットフォームである。しかし、サウンドクラウドの収益能力にかんしてはしばらく前より疑問の声が挙がっており、たとえばソニーが最近「収益化の見通しが立たない」ことを理由に楽曲提供を一部取り下げたとビルボード誌で報じられていた。
これを踏まえ、サウンドクラウドのインターナショナル担当ヴァイス・プレジデントに就任するソニア・フリンは「新規市場への積極進出と、『オン・サウンドクラウド』プログラムの国際展開の強化」を総括する責任者となります、と同社の声明文は述べている。
プラットフォームをその市場ごとに作り直すことは、世界各地で音楽を収益化するためのカギとなりそうだ。サウンドクラウドは現在のところ英語のほかにはブラジル国内向けポルトガル語版しかなく、そのためローカライゼーション(現地言語対応)が今後進むものとみられるが、サウンドクラウドからはこれを確約する回答は得られていない。問い合わせ中の質問に回答が来た場合は更新してお伝えする。続きを読む
(From the VentureBeat blog post. Thanks to Paul Sawers.)