サイドカーは処方箋を所持する人限定で麻薬の配達をはじめる

ここでひとつ想像してみよう。ドアツードアでヤクが配達される日を。このスタートアップはそれに向かっている。
ライド・ヘイリング・サーヴィスのサイドカーはサン・フランシスコで、処方箋を所持する人にマリファナの配達を開始する。同社が協業するのはメドウとよばれる、オンデマンド型薬草配達会社である。ワイコンビネータの支援を受けた同社は発展して現在の会社になった。
サイドカーのドライヴァーは、自身もマリファナの処方箋を所持し、メドウの提携農場であるアポセカリウムから薬草のパッケージを集荷し、それを顧客まで届ける。サイドカーのスポークスパーソンによると、これはカリフォルニア州の医療用マリファナ服用患者保護法に基づく、完全に合法な手段だという。
そういった配達に手を染めることによって、サイドカーが築いたブランドを傷つけるのではないかという疑問がある。合法とはいえマリファナ服用には賛否両論が根強い。そう問われたサイドカーCEOのサニル・ポールはこう論じた。「合法で、クルマで届けるのに適しているなら、わたしたちは配達します」とポールは言う。「医療用マリファナであっても、アルコール類であってもそれは同じことです」
これはサイドカーの主力プロダクトからは、かなり大きな変化といえる。同社は人を運ぶのが仕事だったはずだ。もっとも、オンデマンド・ライドヘイリング・サーヴィスの先駆とされるリフトやユーバと比べて、サイドカーは若い利用者の支持を集めるのに難航している。
2月に同社はローカル・デリヴァリー・サーヴィスを開設し、事業拡大に取り組んでいる。だがユーバ、ポーストメート、キャヴィア、ドアダッシュなど多数の企業はまったく同じマーケットでしのぎを削っている。
サイドカーは自身の居場所をなんとか見出そうと、カスタム型デリヴァリーを開始した。地方の商店街との協力関係によって、配達の需要を満たすという取り組みだ。注文アプリを制作し自前で顧客名簿を保有するやり方を採る代わりに、サイドカーは裏方に回ることを選んだ。
これまで、メドウは農場のドライヴァーを経由して薬草の配達を行なってきた。だがこれではスケール拡大の見込みが立たない。そこでサイドカーのもつネットワークを活用し、薬草配達会社である同社は1時間以内での配達が可能となった。当日配達を選ぶと料金は4.99ドルから14.99ドルまで。オンデマンド型だと7.49ドルから24.99ドルとなる。時間帯や曜日によって、また配達先の属性によって料金が変わる。
顧客はメドウのアプリまたはウェブサイトから注文することができるが、サイドカーのアプリはない。1度に注文できるのは4つまで、これは1オンス分の容量である。ドライヴァーはロックをかけた箱に入ったパッケージを運び、受取人の本人確認に必要な手続きの研修を受けている。
ではメドウはユーバやリフトといった他社との契約を検討したことがあるかとの質問には、創業者であるデーヴィッド・ファーは思いつきもしなかったと答えた。「研修プログラムをイチから作りだすのはかなり長い時間をかけて下調べをする必要があります」とファーは述べた。「現時点ではサイドカーとの提携に的を絞っていくしかありません」続きを読む
(From the Re/code blog post. Thanks to Carmel DeAmicis.