ファイアフォックスOS搭載スマートTVがヨーロッパで発売、全世界発売は「数か月以内」

ヨーロッパ限定とはなるが、モジラリナックスをベースとしたオペレーティング・システムで稼動するパナソニックビエラ・スマートTVは6モデルが販売されている。各国でそれぞれ異なるモデル、CR850、CR730、CX800、CX750、CX700、そしてCX680となっている。価格はそれぞれ別だが、たとえばCX700モデルは現在英国で1,000ポンド(1,600ドル)で売られている。全世界での発売は「数か月以内」に見込まれるという。
2012年に初披露目となったファイアフォックスOSは、当初スマートフォンタブレット向けオペレーティング・システムとして設計された。しかしその普及は遅く、ごく一部の機器がファイアフォックスOSをプリインストールするにとどまっていた。最初は「ZTEオープン」で、2013年にスペインで発売された。
これまでファイアフォックスOSはモバイルという、アップルとグーグルの2強で成り立つマーケットにおいて厳しい競争に直面してきた。さらに、マイクロソフトも2強の隙間をがっちりと押さえている。一方、スマートTVについてはおそらく、マーケットに参入しやすい状況となっている。それでもやはり、昨今では徐々に熱を帯びてきたこの分野で、グーグルのアンドロイド・オペレーティング・システムがスマートTV機器に搭載される例が散見されている。また、サムスンは自前のタイゼン・オペレーティング・システムで同分野に参入をかけている。
ファイアフォックスOSのTV参入では、モジラがHTML5とウェブ・アプリの対応という「オープンさ」を売りに営業をかけている。開発者が既存のウェブ・アプリケーションとサーヴィスを簡便な手順でファイアフォックスOSに移植できるのが設計上の強みで、たとえばユーチューブやネットフリックスといったアプリケーションはファイアフォックスOSに対応している。
コンシューマはTVにかんして、モバイルやタブレットの場合ほどオペレーティング・システムへのこだわりが強くないとみられ、モジラはそこに勝機を見出している。ファイアフォックスOSがスマートTVで勝ち残れるかは今後次第だが、パナソニックという強い味方がいるのはモジラにとって追い風だろう。続きを読む
(From the VentureBeat blog post. Thanks to Paul Sawers.)