ストライプが5億ドルの新規資金調達ラウンドを実施へ

決済向けAPI制作のストライプは新規資金調達ラウンドを実施することが当事者と直接知り合いの人物から判明した。
数名の情報源の1人によると、今回主幹事となる投資家はユーリ・ミルナー率いるDSTグローバルなどだという。全員の証言が一致したのは、今回のラウンドは「高額」になるとの話だが、ストライプが実際に幾ら調達するつもりなのかは特定できなかった。
前述の情報源の1人によると、今回のラウンドは5億ドル程度とされるが、また別の情報によると、ストライプの評価額が50億ドルに達するとされる。ストライプのスポークスパーソンは取材に対し、ウワサや憶測にはコメントできないと回答した。
最近のスタートアップは比較的上場を先延ばしにする道を選ぶことが多く、そのため資金調達が高額になることは決して非現実的ではない。つい先日も、同社と同じくワイコンビネータ出身であるゼネフィッツが5億ドルを資金調達し、評価額が45億ドルに達した。
ストライプはこれまで急速な成長を遂げており、ディヴェロッパからの評判がたいへん良好なことで知られる。カスタマー・サーヴィスの充実、導入手続きの簡易さが強みとなっている。決済処理の扱いは設立後の日が浅いスタートアップにとっては頭痛の種で、そのためストライプは可能なかぎり手早くその処理を引き受けることで、スタートアップ各社が本業に専念できるよう支援してきた。
直近で同社は1億9千万ドルの資金調達実績があり、とりわけ著名な投資家としてはペイパル共同創業者のイーロン・マスク、ピーター・シール、ボックスCEOアーロン・レヴィ、コスラ・ヴェンチャーズ、アンドリーセン・ホロウィッツ、セコイア・キャピタルが名を連ねている。
ストライプはプロダクトの拡充に加えてパートナー企業の増強を積極的に進め、世界各地に展開している。今週ストライプは日本でのベータ版試験運用プログラムを発表したほか、シンガポールへの進出を準備中とのウワサもある。また、次に登場するプロダクトとして「ストライプ・コネクト」という、マーケットプレース企業の支援を狙った動きも進んでいる。たとえば、リフトは顧客からの決済をドライヴァーに振替処理するという需要があり、このほかにはツイッターフェースブックとの提携によって「購入」ボタン導入を後押ししている。ストライプはさらに、アリペイとの業務提携も締結しており、近日中に合衆国内での展開も見込む。
今回の資金調達ラウンドは、世界各地への展開に役立てられる見通しだ。ミルナーはこれまでフェースブックツイッターをはじめ、ソーシャル・ネットワーキング企業各社に投資家として参画しており、最近では世界各国のイーコマースやマーケットプレース企業に重点投資している。たとえばフリップカート、オラ・キャブズなどが挙げられる。これらの展開は多額の資金を必要とする。ストライプは20か国で運営されているが、他社ではブレイントゥリーがやはり世界対応を実現している。
ストライプは今後、いっそうの競争激化に直面することが見込まれ、今年第3四半期にはペイパルが親会社であるイーベイから分社化され、独立企業となる。ペイパルは決済処理企業のブレイントゥリーを2013年に8億ドルで買収した。ブレイントゥリーはユーバ、ホテル・トゥナイトといった有力企業との関係があり、先日には新方式の決済API「ヴァージョンゼロ」をディヴェロッパ向けに開設した。
より小規模な競合でいえば、ウィーペイが世界進出をかけて4千万ドルの資金調達を実施するなど、追撃を図っている。続きを読む
(From the TechCrunch blog post. Thanks to Ian Kar.)