アマゾンとペンギン・ランダムハウス社との英国内での販売契約が満了へ

アマゾンは「ビッグ・ファイヴ」と呼ばれるコンシューマ向け書籍出版社の最後の1社と契約改定を交渉しているが、難航中か。
イーコマースの巨人である同社が英国のウェブサイトでペンギン・ランダム・ハウス社の書籍を販売する契約は今月末で満了となる。アマゾン社内の関係者が明かした。仮に両社が締め切りまでに契約更新に至らなければ、アマゾンはペンギン・ランダムハウスの印刷版および電子版の書籍をすべて英国のオンライン・ストアであるamazon.co.ukから取り下げることになる。
このような事態が起きれば両社にとってかなりのコストを強いることになる。世界最大の出版社である同社は世界中で販売されるコンシューマ向け書籍の約40パーセントを占めていることが業界に詳しい複数の人物から明かされている。アマゾンの英国内での書籍販売数は、同社の目録がすべて取り下げられた場合、目立った減少となる。
それに加え、アマゾンはいまのところ「ビッグ・ファイヴ」と呼ばれる出版社による電子書籍において、最大の販売チャネルを保持しており、英国でのペンギン・ランダムハウス社書籍が禁止となれば相当な痛手となる。なお、合衆国内の販売にかんして両社で締結されている契約は今年末で満了となると情報源のひとりが述べている。
ペンギン・ランダムハウスのスポークスウーマンであるクレア・フォン・シリングは契約満了のタイミングについてコメントできないと回答した。イーメールで彼女は次のように述べている。「弊社は事業提携関係にあるアマゾンとのあいだで協議を継続しています。印刷版およびデジタル版の書籍がアマゾンでの販売を中止することを弊社は望んでおりません。今後も弊社の書籍が世界中からアクセス可能、入手可能となることを望んでいます」
アマゾンのスポークスマンであるタレク・エル・ハワリーは契約満了についてコメントはできないとイーメールで回答したが、次のように述べている。「ひとつお伝えできることとしては、弊社は大手出版社4社とのあいだに長期契約を結んでおり、ペンギン・ランダムハウス英国社とのあいだに同等の契約を結ぶ用意があります」
書籍業界の巨人である同社の結論は、アマゾンと大手出版社4社との契約が相次いだ年の翌年である今年に持ち越されることになった。契約条件をめぐるハシェットとアマゾンの競り合いは昨年大きな話題となり、結局11月に両社は調停に達した。この敵対関係の主因となったのが電子書籍の価格付けで、アマゾンは値下げを要求していた。
11月に決定した合意条項によれば、ハシェットは電子書籍の価格を自ら決定できるようになったが、アマゾンは「ハシェットがより低価格での提供ができるよう財務的なインセンティヴ」を約束したという。その後数か月が経過して、大手出版社4社のうち3社はアマゾンとの契約改定を発表したが、さほど満足していないようだ。
さて、いちばん大きな最後の1社がどうなるか。続きを読む
(From the Re/code blog post. Thanks to Jason Del Rey.)