ツイッターがフリップボードと買収交渉中か

ツイッターはこれまで数回にわたってフリップボードと買収交渉に入っていることが、事情に詳しい複数の情報源によって明かされた。取引が成立すれば、10億ドルを超える評価額で株式交換の買収となる。
この買収交渉はツイッターCFOアントニー・ノトが陣頭に立って進められたもので、今年に入って以来複数の場所で行なわれたという。前述の情報源が明かした。ソーシャル・コミュニケーションの巨人である同社はこれまで、ウォール・ストリートからオーディエンス増加とプロダクトの刷新を求める圧力にさらされてきた。だがツイッターとフリップボードのあいだで進められた交渉の結果は、複数の領域で提携関係にある両社だが、途中で足踏みとなっているという。
それでもなお、買収のコンセプトはあらゆる水準において効果的なものとみられる。ツイッターにとっては同社を率いるマイク・マッキュー(シリコン・ヴァレイでは有名なアントレプレナーだ)と経験あるプロダクト・チームを招き入れることができる。
マッキューは以前ツイッターの取締役を務めていたが、フリップボードと同社のあいだに競合する領域が増えてきたという事情により退任した。シリコン・ヴァレイではプロダクトの天才として名をなした彼は、おそらくCEOディック・コストロの後継者ともみられるだろう。コストロはこの6か月ほど投資家からの圧力にさらされている。
フリップボードは、シリコン・ヴァレイでもっとも有名なヴェンチャー・キャピタリストを集結させて1億6千万ドルの投資を受けているが、やはり成長の鈍化が課題となっている。昨年、同社は「アクティヴェート」したユーザが1億人を超えたと発表したが、これはサーヴィスを一時期でも利用した人の数である。直近の投資ラウンドでは8億ドルの評価額となっており、売上高は5千万ドル程度だと情報源は明かしている。
だが、同社の事情に詳しい複数の人物の話では、ユーザ数は最近水準の目減りが見受けられるという。これは一部には、アプリがサムスンの携帯電話で標準搭載されなくなったことがある。また、フリップボードのようにすぐれたニューズ・リーダーでさえ、オーディエンスをつねに惹きつけることは日々困難さを増している。
フリップボードを買収することは、ツイッターにとって3億2百万人のユーザ層をただちに上乗せすることには直結しない。また、フリップボードのユーザの多くはツイッターのユーザと重複しているという仮説も合理的である。というのも、両社サーヴィスはデジタル・メディアを愛好するコンシューマへ同じように人気を博してきたからだ。
ツイッターはどうやら、自前のユーザ層を対象に広告を販売する手法を確立しているようだが、フリップボードはまだ実験的な段階を脱していない。昨年、同社はビデオ広告を導入し、さらに最近には「プロモーテッド・アイテムズ」とよばれる、ツイッターの「プロモーテッド・ツイート」によく似たプロダクトを開設した。
それでも、とりわけマッキューの存在があるフリップボードは買収の標的としては魅力的であり、グーグルやフェースブックといった他社も関心があるとみられる。
ツイッターとフリップボードの問い合わせ担当者はいずれもコメント要請に応じていない。続きを読む
(From the Re/code blog post. Thanks to Kara Swisher.)